[成果情報名]

ニホンナシにおけるヒメボクトウの寄生生態

[要約] ヒメボクトウは卵から蛹まで棚仕立てナシ樹の主に棚面に寄生する。寄生樹は再び産卵食入される 傾向がある。
[キーワード] ナシ、棚仕立て、ヒメボクトウ、寄生
[担当] 徳島農総セ・果樹研・生産環境
[連絡先] 電話0885-42-2545
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類] 研究・参考

[背景・ねらい]
 徳島県のナシ園で枝幹穿孔性害虫ヒメボクトウが発生しているが、生態については不明な点が多く、 また、被害防止に有効な防除法が確立されていない。
 そこで、防除技術の確立に資するため、本種のニホンナシにおける寄生状況を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. 成虫はナシ樹棚面の誘引枝の裂傷部、枝枯れ等による壊死部の樹皮下、粗皮の隙間などの間隙部に 産卵管を挿入して塊(約20〜100粒)で産卵する(データ省略、図1)。
  2. 寄生部位は高さ140〜170cmのナシ樹棚面に集中する傾向があり、そこでは卵から蛹期の 寄生が認められる(図2)。
  3. 直径が数cm(2年生枝)から13cm(主枝)の枝では本種の卵(ふ化食入)〜蛹期の発生が認められるが、 直径1〜2cmの細い枝(主に2年生枝)では、ふ化食入は見られるものの、前年までに食入された 寄生箇所はほとんどなく、蛹殻も見られない(図3)。
  4. ふ化食入は前年までに寄生された樹に多いこと(表1)から、寄生樹は再び産卵食入を受け被害が 大きくなると考えられる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 幼虫期間が長く、成長とともに被害が大きくなるうえ、寄生樹は再食入を受け易いことから食入は できるだけ早期に発見し、寄生部位を切除し、粉砕あるいは埋没する。
  2. ふ化食入は8月頃から多く見られるので、この時期は特に注意し、発見に努める。
  3. 主幹部に食入するゴマダラカミキリとは主幹部での寄生がほとんど見られない点で区別できる。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 ナシを枯死させる新枝幹害虫の防除対策の確立
予算区分 県単
研究期間 2006〜2009年度
研究担当者 中西友章、兼田武典
発表論文等 中西ら(2009)徳島農総セ・果樹研報、5:7-15

目次へ戻る