[成果情報名]

カンキツ類廃棄果実に集まってくる獣類

[要約] 園地周縁部に廃棄したカンキツ類の果実はイノシシやサル等のエサとなる。廃棄の続いた3〜6月には 特にイノシシの出没頭数が多い。イノシシは夜間、サルは昼間に出没する。
[キーワード] イノシシ、サル、エサ、カンキツ、果実
[担当] 和歌山農総セ・果樹試・環境部
[連絡先] 電話0737-52-2340
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(鳥獣害)
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 和歌山県で鳥獣の餌付けとなっている農作物等の実態を把握する。和歌山県はカンキツ類を中心とした 果樹栽培が盛んであり、収穫〜貯蔵〜出荷の過程で発生する腐敗果実を農地周辺に廃棄するケースがある。 ここでは県内主要カンキツ類生産地である有田川町において、園地周縁部に廃棄されたカンキツ類果実が獣類の エサとなっている状況を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. イノシシ、サル、タヌキが出没してカンキツ類の廃棄果実を摂食する。撮影された延べ1,328頭の 獣類のうち、イノシシ95%、サル4%、タヌキ1%未満であり、カンキツ類果実を廃棄すると イノシシのエサとなるケースが多い。
  2. イノシシは夜間に多く出没し、18〜22時台に全体の63%がみられる。サルは日中に出没し、早朝 (5〜6時台)、昼(12時台)、夕方(17時台)に全体の77%がみられ、人間の活動に影響を受けている (図1)。
  3. イノシシの出没頭数は、カンキツ類果実の廃棄が続く3〜6月に多く、廃棄がなくなる7月以降に 減少するが、7月以降も3日に1回以上出没し、エサ場として執着している(図2)。
  4. サルの出没頭数および出没回数は偏りが大きく、廃棄果実があっても出没しない時期もある(図3)。 廃棄の続く3〜6月であっても、新鮮な廃棄果実が無い場合はほとんど撮影されず、また廃棄果実が大量に あっても執着して滞在し続けない。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本調査結果は、「獣類のエサを無くすためにカンキツ類果実を廃棄しない」ことを啓発する資料として 活用できる。
  2. やむを得ず園地内に果実を廃棄する場合は、電気柵やワイヤーメッシュなどで囲う。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 農作物鳥獣害防止技術実証
予算区分 県単
研究期間 2009年度
研究担当者 法眼利幸、横谷道雄、山本浩之、井沼 崇、増田吉彦

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