レンゲすき込みによる水稲の基肥窒素の省路

[要約]
 
水田裏作レンゲを導入し、入水2週間前頃に全量すき込むことにより、水稲栽培における基肥窒素の省略及び穂肥の減肥が可能である。
愛媛県農業試験場・生産環境室
[連絡先]089-993-2020
[部会名]生産環境(土壌肥料)
[専門]虫害・雑草
[対象]稲類
[分類]普及

[背景・ねらい]

環境保全型農業の推進が急務である今日、化学肥料に頼り過ぎない施肥方法の確立か必要である。そこで、水田裏作にレンゲを導入し、すき込み時期及び併用する化学肥料の施肥量を変え、稲(ひめのまい)の収量および窒素吸収量等に与える影響を調査し、化学肥料の節減方策を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. レンゲを10a当たり3t(窒素含量12s)程度すき込むと、作土中の水の窒素濃度が、化成慣行施肥と同等以上確保できる。(表1
  2. レンゲすき込み田では、化成肥料施用田より1週間程度長く窒素が作土中の水に溶け出しており、7月下旬まで高濃度を維持することができる。(表1
  3. 6月中旬植え水稲に対するレンゲのすき込み迫期は、入水2週間前頃であり、すき込みから入水までの期間が長くなると、窒素吸収量及び稲の生育・収量が少なくなる。(表2
  4. 入水2週間前レンゲすき込み田では、基肥(窒素)無施用十穂肥の減肥体系でも、化成肥料による慣行栽培並の収量か得られ、4〜6割の窒素減肥が可能となる。(表3
  5. レンゲは施肥窒素の利用率において化成肥料に比べやや劣る。(表3
[成果の活用面・留意点]
  1. 水稲栽培における化学肥料の節減が可能となる。
  2. 特殊米(有機米)生産技術確立の基礎資料となる。
  3. レンゲのすき込みは乾田で行い、半湿田及び湿田では行わない。
  4. レンゲの生産量が本試験事例より多い場合は、レンゲの一部を田外に持ち出すか、入水までの期間を長くする。
  5. レンゲすき込み田では、7月末期に作土中の水から急激に窒素量か減少するため、生育に応して穂肥(追肥)を施用する。

 [その他]
 
研究課題名:水田における低投入型施肥試験
予算区分:国補
研究期間:平成6年〜8年
研究担当者:上松富夫
 
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