ローゼルの8〜11月出し栽培

[要約]
 
2月1日以降のできるだけ早期に、最低夜温を5℃以上としたハウス内のトンネル被覆下で播種して30〜40日間育苗した後、水封ダクトを1本設置した露地のトンネル被覆下に定植して栽培することで8月から収穫できる。
高知県農業技術センター・作物園芸部・花き科
[連絡先]0888-63-4918
[部会名]野菜・花き・茶(野菜)
[専門]栽培
[対象]花き菜類
[分類]普及

[背景・ねらい]

ローゼルは、アフリカに自生するアオイ科の一年草で比較的乾燥条件には強いが、耐寒性が弱いことが知られている。高知県では通称「ベニアオイ」と呼ばれ、紅色の発達したがくと小包片を着けた枝物として夏〜初冬に一部生産・出荷されている。ところが、本種の栽培法については十分明らかでなく、栽培技術の確立が望まれている。そこで、西南暖地の平坦部で、夏〜初冬に技物として安定生産できる栽培技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 播種は2月1日〜3月1日のできるだけ早い時期に最低夜温を5℃以上としたハウス内で行い、トンネル被覆する(図1図2)。
  2. 鉢上げは播種15〜20日後の本葉0.5枚時に9世おポリポットに行い、播種種後30〜40日後の本葉3枚程度で定植する(表1図2)。
  3. 定植は3月11日以降のできるだけ早期に行い、トンネル被覆するとともに水封ダクトを1畦に1本設置すると、1株当たり9本以上の技物が8月から順次収穫できる(表2図2)。                                                               

[成果の活用面・留意点]

  1. 通常の水田土壌では無肥料とし、造成地では窒素成分10s/10a程度を元肥で施用する。
  2. トンネル被覆後、除去するまでは圃場が乾かないように灌水する。
  3. トンネル被覆と水封ダクトはアポーションの発生と高温障害を防止するため、5月中旬に徐々に外気に慣らしてから除去する。

 [その他]
 
研究課題名:ローゼルの栽培技術の確立
予算区分:県単
研究期間:平成9年度(平成6年〜8年)
研究担当者:二宮千登志、高野恵子、吾妻浅男
発表論文等:なし
 
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