日本型の高収益施設園芸生産システムの構築

資材や燃油の高騰、環境負荷の低減圧力、収益性低下等の施設園芸が直面している課題の解決に向け、省エネルギーで低コストな高度環境制御技術と生産体系に適した品種等を組み合わせた省力・低コスト・低炭素型の栽培技術体系を開発する。

主要施設野菜を対象として、環境制御・生育制御技術を統合・高度化、自動作業システムの開発、総合情報利用システムの構築を行い、養液栽培に適する省力型品種を組み合わせることにより、慣行栽培に比べ5割の省力化と3割の収益増を達成可能な低炭素・省力型の低コスト周年高品質多収生産技術体系を確立する。植物工場については、果菜類・葉菜類の生産コストを平成20年比3割以上削減可能な半閉鎖型施設生産技術を開発する。

耐風性・耐雪性に優れたパイプハウス等の構造設計手法、農村の自然エネルギーを活用した複合環境制御技術、及び自然換気、細霧冷房、LEDを組み合わせた高度環境制御技術を開発する。

中山間地域等における高収益・周年安定生産に資するため、多照地域に適した日本型日光温室等の省資源パイプハウスを軸とした施設生産技術を開発する。また、冷涼あるいは温暖な気候条件を活かした、施設、植物工場での、イチゴをはじめとする野菜の周年安定生産、収量増加や高付加価値化を図る生産技術を開発する。

キク、トルコギキョウ等の主要花きにおいて、花成反応に及ぼす光質や日長等の影響の分子機構を解明する。さらに、主要花きの環境応答解析に基づいた高精度開花調節及び低炭素型栽培管理による高品質多収生産技術を開発する。

ナス科・ウリ科野菜では、養液栽培適性や病害抵抗性、加工・業務用適性等を有し生産性の高い先導的品種・系統を開発する。イチゴでは、施設、植物工場での周年安定生産のため、四季成り性や少量培地耕適性等を有する先導的品種・系統を開発する。

汎用的なトマト及びナスのDNAマーカーセットを開発し、結果性等重要形質の遺伝解析と制御遺伝子の単離及びその機能解明を行う。色素構造の修飾や生合成・分解に関与する酵素遺伝子の導入等により、青色や黄色の花色等新形質を有する花きを開発する。日持ち性や病害抵抗性等の重要形質を併せ持つ高付加価値花き作出のため、詳細遺伝子地図の作成等の基盤技術を開発する。

研究成果情報

2015年 九州沖縄農業研究センター
人工光源下でのパルプ培地を用いた簡易なスプラウト生産技術
2015年 九州沖縄農業研究センター
クラウン温度制御技術による宮城県被災地でのイチゴ促成栽培における収量増加
2015年 九州沖縄農業研究センター
太陽光型植物工場でのイチゴの複合環境制御と多植栽培による10t/10a生産
2015年 近畿中国四国農業研究センター
中山間地における平均風速および突風率の推定法
2015年 東北農業研究センター
イチゴうどんこ病(レース0)抵抗性に連鎖するDNAマーカー
2015年 東北農業研究センター
栽培イチゴの四季成り性に連鎖するDNAマーカー
2015年 東北農業研究センター
オリエンタル系ユリにおける生育段階ごとの光量と光合成、乾物蓄積との関係
2015年 東北農業研究センター
四季成り性イチゴの連続開花性の強弱と日長処理による花成誘導効果
2015年 農村工学研究所
屋根開放型温室による高温抑制効果と日射・気温特性
2015年 農村工学研究所
パイプハウスの軒高の増加が耐風性能に及ぼす影響
2015年 野菜茶業研究所
ナス半枯病抵抗性遺伝子座の同定と育種選抜マーカーの開発
2015年 野菜茶業研究所
キュウリ黄化えそ病抵抗性を支配するQTLの同定および選抜マーカー
2015年 野菜茶業研究所
高軒高ハウスでの長期どり養液栽培に適した生食用トマト品種候補安濃交9号
2015年 野菜茶業研究所
安価な3次元形状計測センサを利用した自動草高計測システム
2015年 野菜茶業研究所
CO2施用と加湿制御を組み合わせた場合のトマトの生育と養分吸収
2015年 野菜茶業研究所
安価な3次元形状計測センサ利用による作物群落構造解析システム
2015年 花き研究所
ヤブツバキ「千年藤紫」の紫色花色発現におけるアルミニウムの関与
2015年 花き研究所
カーネーション標準連鎖地図を利用した八重咲きに連鎖したSSRマーカーの開発
2015年 花き研究所
葉切片の癒合と再分化を介したキク周縁キメラ植物の作出
2015年 花き研究所
キクタニギクの高温開花遅延において高温感受性が高いのは暗期後半である
2014年 九州沖縄農業研究センター
遅延蛍光計測によるダイズ種子の老化程度の評価
2014年 九州沖縄農業研究センター
「シマカボチャ」に接ぎ木したセイヨウカボチャの高温下での生育と収穫果実重
2014年 九州沖縄農業研究センター
北部九州地域でのアスパラガス無加温伏せ込み栽培の収量性
2014年 九州沖縄農業研究センター
遠赤色光の照射でダッタンソバスプラウトの果皮を除去する方法
2014年 九州沖縄農業研究センター
配光制御型高輝度LED による補光時間がイチゴの光合成と収量に及ぼす影響
2014年 九州沖縄農業研究センター
寡日照地域の植物工場での高輝度LEDを用いた補光によるイチゴの増収
2014年 近畿中国四国農業研究センター
温室へ施用した二酸化炭素の利用効率の評価手法
2014年 北海道農業研究センター
黄赤色の花色を持つアルストロメリア新品種候補「羊ヶ丘1号」、「羊ヶ丘2号」
2014年 野菜茶業研究所
重イオンビーム照射によるトマト変異誘発系統群
2014年 野菜茶業研究所
キュウリべと病抵抗性を支配するQTLの同定
2014年 野菜茶業研究所
黄化えそ病抵抗性を有する中間母本「きゅうり中間母本農7号」
2014年 野菜茶業研究所
トマト「桃太郎ヨーク」の収量はオランダの台木品種「Maxifort」利用により増加する
2014年 野菜茶業研究所
オーキシン生合成阻害剤の散布がトマト苗の成長に及ぼす影響とそのモデル化
2014年 野菜茶業研究所
キュウリのハイワイヤー栽培における葉面積指数(LAI)の簡易推定法
2014年 野菜茶業研究所
トマト一段密植栽培用の着果処理ロボット
2014年 花き研究所
エチレン感受性が比較的低く日持ち性の非常に優れるカーネーション系統の開発
2014年 花き研究所
クラスB遺伝子の共発現によりトレニアの萼は花弁化し八重形質をもたらす
2014年 花き研究所
遺伝子組換え技術により蛍光タンパク質が高蓄積した「光る花」の開発
2014年 花き研究所
カーネーション花弁におけるクロロフィル蓄積の制御機構
2013年 花き研究所
ペチュニア花弁における受粉によるオートファジーの誘導と栄養素の転流
2013年 花き研究所
カーネーション、カワラナデシコ雑種系統の開花の早晩性と早生性の遺伝性
2013年 花き研究所
エチレン低生成カーネーションにおける老化関連遺伝子の発現調節
2013年 花き研究所
カーネーションESTの網羅的解析
2013年 花き研究所
難DNA抽出性植物からの高純度DNAの抽出・精製手法
2013年 花き研究所
花器官特異的なサイトカイニン生合成遺伝子の発現によるトレニアの花形改変
2013年 花き研究所
カーネーション花弁におけるカロテノイド代謝関連遺伝子の発現
2013年 花き研究所
重イオンビーム照射によるキク花色変異におけるカロテノイド酸化開裂酵素の関与
2013年 花き研究所
キクの高温開花遅延にはFTL3遺伝子の抑制が関与する
2013年 花き研究所
花を咲かせないように働く「アンチフロリゲン」の発見
2013年 東北農業研究センター
ユリ「シベリア」は冷涼条件での栽培で乾物蓄積が促進され切り花品質が向上する
2013年 近畿中国四国農業研究センター
簡易設置型パッドアンドファンによるハウス内暑熱環境改善
2013年 近畿中国四国農業研究センター
施設園芸用の循環扇性能と数値流体力学による循環扇気流の予測方法
2013年 九州沖縄農業研究センター
生育温度が低いと水耕栽培でのコマツナの硝酸イオン濃度は低下する
2013年 九州沖縄農業研究センター
盛夏期におけるイチゴ苗の蒸熱処理装置による病害虫同時防除
2013年 農村工学研究所
LEDによるレタス、シュンギクの夜間補光での生体重増加効果
2013年 農村工学研究所
高圧細霧冷房による温室の高温抑制効果と換気特性
2013年 野菜茶業研究所
日本産及び外国産の紅茶の含水率
2013年 野菜茶業研究所
イチゴ炭疽病抵抗性に連鎖するDNAマーカー
2013年 野菜茶業研究所
ピーマンのSSR(単純反復配列)マーカーと高密度連鎖地図
2013年 野菜茶業研究所
ODSカラムを用いたビタミンCの高速液体クロマトグラフィー分析の効率化
2013年 野菜茶業研究所
キュウリうどんこ病抵抗性を制御するQTLの同定
2013年 野菜茶業研究所
疫病・青枯病複合抵抗性台木用トウガラシ品種候補、安濃交1号および安濃交2号
2013年 野菜茶業研究所
収量および果形の優れる単為結果性のナスF1品種候補、あのみのり2号
2013年 野菜茶業研究所
量管理養液栽培でキュウリ葉に発生する白化症状の原因はリン酸過剰である
2012年 花き研究所
キクの花成およびFT遺伝子発現における暗期中断の分光感度
2012年 近畿中国四国農業研究センター
中山間地の夏季のトマト育苗における冷水資源を活用した根域冷却技術
2012年 農村工学研究所
ヒートポンプを利用した温室暖房システムの性能試算
2012年 農村工学研究所
2012年5月6日の竜巻によって被災したパイプハウスの実態把握
2012年 野菜茶業研究所
日本のトマト品種改良は多収化させず、果実糖度を高めて水分含量は維持した
2012年 北海道農業研究センター
明赤紫色の花色で花序の大きなアリウム新品種候補「札幌3号」
2012年 花き研究所
ナデシコ属野生種の芳香性カーネーション育種素材としての評価
2012年 花き研究所
葉緑体DNA解析によるツバキ属品種「炉開き」と「田毎の月」の母系祖先種の解明
2012年 花き研究所
トランスポゾンの転移が活性化したトレニアの変異体
2012年 花き研究所
トレニアの花弁および雄蕊の形成にはTfUFO遺伝子が必須である
2012年 花き研究所
miR157過剰発現トレニアでは草姿が変化し花付き期間が延長される
2012年 花き研究所
花芽におけるサイトカイニンシグナルの局在がトレニアに装飾的な花形を誘導する
2012年 花き研究所
ペチュニアの覆輪形成には順方向配列のCHSAに対する転写後抑制が関与する
2012年 野菜茶業研究所
植物工場における短期栽培キュウリの多収化
2012年 花き研究所
キクの黄花変異にはカロテノイド酸化開裂酵素遺伝子が関与する
2012年 野菜茶業研究所
感染性クローンを利用した簡易で信頼性の高いTYLCV接種法
2012年 野菜茶業研究所
トマト果実形成における内生および外生サイトカイニンの作用と調節機構
2012年 東北農業研究センター
多収で極晩生の一季成り性イチゴ品種「豊雪姫」
2012年 九州沖縄農業研究センター
暖地や温暖地の夏秋どり栽培に適した四季成り性イチゴ品種候補「久留米61号」
2012年 野菜茶業研究所
「メロン中間母本農4号」の短側枝性を選抜できるDNAマーカー
2012年 花き研究所
キク矮化ウイロイド抵抗性品種の選抜と抵抗性の後代への遺伝
2011年 花き研究所
交雑育種による超長命性カーネーション系統の育成
2011年 花き研究所
ワビスケツバキ「太郎冠者」の花弁に含まれる新規フラボノール