持続型農業に貢献する作物保護・土壌管理及び地域資源利用技術の開発

農業生物の遺伝子機能解析や生物間相互作用の解明に基づき、標的外生物への影響を最小化して環境負荷を少なくした病害虫制御法の基盤技術を開発する。また、水稲、畑作物や野菜の病害及び線虫害に対応し、汚染度診断法の高度化を図るとともに、より下層部まで効果の得られる土壌消毒法、作物の抵抗性や非病原性微生物による病害抑制技術等の新たな防除法を開発する。虫害や昆虫媒介性ウイルス病害については、光、音波、匂いを利用した発生予察技術や物理的防除技術、タバコカスミカメ等土着天敵の利用技術を開発し、コナジラミ類、アザミウマ類の防除技術を開発・実証するとともに、抵抗性品種や適期農薬施用等によるイネ縞葉枯病の管理技術を開発する。外来雑草や除草剤抵抗性雑草等については、個体群動態や遺伝的・生態的特性の解明に基づき、分布拡大リスクを評価するとともに、除草剤利用と耕種的防除技術を組み合わせた難防除雑草の総合的管理技術を確立する。また、農業者による適切な土壌管理を可能とする簡易な土壌診断法を開発し、適正施肥量の判断基準に関するマニュアルを作成するとともに、施用される有機物の特性評価、生物機能の評価・利用の高度化を進め、持続的な土壌管理法を開発する。併せて、農作物・食品加工の残さ等農産廃棄物や家畜排せつ物をエネルギー利用するとともに、その使用残さを化学肥料等の代替として活用する技術の開発を行う。これらの持続型農業に資する技術を農業現場へ導入する効果を、多様なモデル化やLCA等により生物多様性保全や地球温暖化軽減等の観点から評価する手法を開発するとともに、農業者や消費者にわかりやすい導入便益の評価指標のための科学的根拠を提示する。導入可能な研究成果については、公設試等との連携による生産現場での実証等を通じて普及を推進するほか、評価指標を用いて技術の導入便益を農業者や消費者にわかりやすく提示することを通じて環境保全型農業の推進に係る行政施策に貢献するとともに、資源循環型で持続性の高い農業システムの確立と普及を図る。

研究成果情報

2017年 農業環境変動研究センター
硝酸イオンの窒素・酸素安定同位体比の迅速測定法
2017年 農業環境変動研究センター
植物常在真菌の酵素が生分解性プラスチックを急速に崩壊させる仕組み
2017年 生物機能利用研究部門
γアミノ酪酸(GABA)による植物保護細菌の制御
2017年 生物機能利用研究部門
害虫抵抗性誘導物質としてのロリオライドの発見と害虫に対するその防除効果
2017年 生物機能利用研究部門
天敵ナミヒメハナカメムシ体表に含まれる(E)-2-octenalは本種の逃避行動を引き起こす
2017年 生物機能利用研究部門
抗幼若ホルモン活性評価システムと新規昆虫制御剤候補化合物
2017年 野菜花き研究部門
赤色光を昼間に作物に照射し、ミナミキイロアザミウマの誘引を抑制する
2017年 九州沖縄農業研究センター
牛ふん堆肥ペレットへの尿素混合による土壌からの一酸化二窒素発生低減
2017年 西日本農業研究センター
水稲の無代かき栽培および疎植導入時の温室効果ガス排出量評価(LCA)
2017年 中央農業研究センター
木質バイオマスを燃料とする貯湯式のハウス暖房システム
2017年 中央農業研究センター
水田におけるイネ縞葉枯病のまん延過程と発病イネにおける減収のしくみ
2017年 中央農業研究センター
経卵伝染したイネ縞葉枯ウイルスのヒメトビウンカ体内量と保毒虫率
2017年 中央農業研究センター
タバコカスミカメのアザミウマ類に対する防除効果はバンカー植物で増強できる
2017年 中央農業研究センター
無菌条件下でイネ稲こうじ病菌の厚壁胞子をイネ根に接種する方法
2017年 東北農業研究センター
休耕地の畦畔や法面を省力的に除草管理する技術の比較
2017年 東北農業研究センター
土着天敵ヒメハナカメムシ類は光反射率の高い青色粘着板で効率的に捕捉できる
2017年 北海道農業研究センター
米ぬか施用によるジャガイモそうか病の抑制機構の微生物学的解明
2017年 北海道農業研究センター
Aspergillus versicolor Im6-50株によるジャガイモ粉状そうか病の発病抑制
2016年 農業環境変動研究センター
土壌くん蒸効果を向上させ現場ニーズに応えるガスバリアー性フィルム
2016年 生物機能利用研究部門
L-ヒスチジンの根部処理によるトマト青枯病抑制効果
2016年 生物機能利用研究部門
微小害虫の捕食性天敵コヒメハナカメムシ足跡フェロモンの化学構造
2016年 生物機能利用研究部門
紫色LED光で土着天敵ヒメハナカメムシを集め、害虫を減らす技術
2016年 生物機能利用研究部門
カメムシ類制御剤標的としてのミトコンドリア膜タンパク質遺伝子の機能
2016年 生物機能利用研究部門
幼若ホルモンによる成虫化抑制の分子機構
2016年 中央農業研究センター
アラビノースおよびキシロース濃度はカボチャ貯蔵性を反映する指標である
2016年 中央農業研究センター
堆肥ペレットの分解に伴う微細形態変化と粗孔隙の形成
2016年 中央農業研究センター
イネ縞葉枯病多発地域における発病株率および保毒虫率の推移
2016年 中央農業研究センター
侵入害虫クロテンコナカイガラムシのオス成虫を誘引するフェロモンの構造決定
2016年 中央農業研究センター
ミカン枝由来の物質「β-エレメン」によるゴマダラカミキリの逃避行動