研究活動報告詳細

平成30年度北農賞を受賞

情報公開日:2019年3月14日 (木曜日)

平成30年12月14日(金曜日)に京王プラザホテル札幌において、公益財団法人北農会による北農賞贈呈式が行われ、農研機構北海道農業研究センターは、論文および技能の2部門で栄えある北農賞を受賞しました。

論文部門

「ダッタンソバ「満天きらり」の加工時のルチン含量の変動要因とその機能性効果」
(北農 第84巻第4号、北農 第85巻第2号 掲載)

受賞者名 : 農研機構北海道農業研究センター畑作物開発利用研究領域 森下 敏和(現 次世代作物開発研究センター) ・野田 高弘・石黒 浩二
農研機構九州沖縄農業研究センター 鈴木 達郎
北海道情報大学 西村 三恵・西平 順
(有)小林食品 芦澤 順三

ダッタンソバ「満天きらり」は、苦みの元となるルチン分解酵素活性が極めて低い品種ですが、微量のルチン分解酵素が含まれているため、加工方法によってはルチンが失われてしまいます。

そこで、「満天きらり」の粉の加工中のルチン含量の変動を調査し、加水後から急速に分解する従来品種「北海T8号」に比べ、「満天きらり」は分解が徐々に進み、加水量が多いと分解が進みやすいことを解明しました。
また、「満天きらり」をパンなど様々な食品に用いると、「北海T8号」よりもルチンが多い食品を製造できることを明らかにしました。

さらに、「満天きらり」の付加価値を高めるため次の機能性効果を実証しました。

1) 「満天きらり」を用いた麺およびクッキー中の抗酸化性は高く、ルチンの高い寄与率を示しました

2) 「満天きらり」を用いた麺を摂取したヒト介入試験において、ヒトの血清中で高い抗酸化性が確認され、体重や体脂肪率の低下効果も認められました

著者らの本研究成果により「満天きらり」麺は、北海道食品機能性表示制度(ヘルシーDo)の認定を得ることができました。

以上より、本論文は北農賞に値する優れた研究成果であると高く評価されました。

harc20181214_prize01論文部門受賞者(左から) : 北海道情報大学 西平 順 氏、北農研 石黒 浩二 氏、(有)小林食品 芦澤 順三 氏

技能部門

「土壌物理物性簡易診断における土塊サンプラーの開発」

受賞者名 : 農研機構北海道農業研究センター技術支援センター 竹本 敏彦

北農研生産環境研究領域土壌管理グループでは、生産者自ら実施できる簡易土壌診断の一つとして「土塊法」の開発に取り組んでいます。
「土塊法」は、作物の収量アップを目的に土の物理性を改善するため、栽培前や収穫後の土壌の物理性を診断する方法です。従来のスコップでの採取では、長時間の作業や測定値のばらつきなどの問題がありました。

そこで、技術支援センターでは、安価な資材で容易に加工できる土塊サンプラー(土塊採取器)を開発しました。
土塊サンプラーの使用により、簡易かつ正確な採取が可能となり、誰が使用しても同じ土塊を採取できます。
また、従来の作業より掘削作業の工程が少なくなり、作業負荷を軽減し、作業時間の短縮が可能となります。
現地調査では、採取した土塊を均一な大きさにできるため荷物のコンパクト化に役立ち、さらに、作業を効率良く行え、負担を大きく軽減することができます。

土塊採取作業の効率化および短縮化を図ることができる本器の開発が高く評価されました。

harc20181214_prize02技能部門受賞者 : 北農研 竹本 敏彦 氏