日時
令和3年2月5日 (金曜日) 13時15分から16時30分
開催場所
オンライン (Microsoft Teams でのウェブ会議)
参加者数 (主催者・報告者除く)
265名
(うち、生産者・農業団体 88名、行政・普及機関 48名、民間企業 38名、試験研究機関 81名、報道機関 10名)
開催の趣旨
北海道の水田作地域でも、高齢化と後継者不足により規模拡大が進み、これに伴って水稲直播栽培、なかでも水稲乾田直播栽培 (以下「乾田直播」) が増加しています。農研機構 北海道農業研究センターでは、乾田直播における春作業のいっそうの省力化と栽培の安定化のため、前年整地技術の省力・効率化、雑草防除支援技術の開発等を進めています。そこで、乾田直播の普及を促進するため、今後の水田営農方向についての基調講演および北海道農業研究センターで開発した技術と生産者の取り組みの紹介を行いました。
開催概要
基調講演では、NARO方式乾田直播の技術開発の経過と体系化、その後の秋田県大潟村の重粘度湿田での大豆等畑作を起点とした乾田化と乾直導入の実証試験、さらに東日本大震災後の復興の中での大区画整備と平行した水田輪作営農確立の取り組みが紹介され、今後は耕畜連携が重要、との指摘が行われました。
ついで、北海道農業研究センターから、前年整地技術のいっそうの省力化のための高低差マップの作成と利用法、栽培安定化のための水稲出芽始予測に関する研究成果が紹介されました。高低差マップの作成手順や、出芽始予測に関する試験の条件および道南や道外への適用可能性等、多くの質問が寄せられました。
生産者の取り組み紹介では、岩見沢市の(有)新田農場、妹背牛町の(株)辻村農場から乾田直播を中心とした営農の取り組みが紹介されました。
その後の総合討論では、北農研育成の乾田直播向け良食味品種「さんさんまる」の紹介とともに、限られた時間でしたが、生産者での乾田直播の労働時間や今後の規模拡大等が議論されました。
なお、セミナーの模様は、日本農業新聞 (2月9日)、農村ニュース (2月15日)、農機新聞 (2月16日)で報道されました。
主な内容
1. 開会挨拶
農研機構 北海道農業研究センター 水田作研究領域 | 老田 茂
2. 基調講演
乾田直播(NARO方式)を軸とした大規模水田営農
農研機構 東北農業研究センター 地域戦略部 | 大谷 隆二
3. 研究成果紹介
1) 高低差マップを活用した前年整地の省力効果
農研機構 北海道農業研究センター 水田作研究領域 | 長南 友也
2) 雑草防除支援のための水稲出芽始予測
農研機構 北海道農業研究センター 生産環境研究領域 | 根本 学
4. 生産者の取り組み紹介
1) 乾田直播を取り入れた水田輪作体系について
岩見沢市北村 (有)新田農場 | 新田 慎太郎
2) 自称「日本一働かない稲作農家」による乾田直播のススメ
妹背牛町 (株)辻村農場 | 辻村 靖
5. 総合討論
進行 : 農研機構 北海道農業研究センター 水田作研究領域 | 老田 茂