研究活動報告詳細

成果宅配便『周年放牧肥育技術』~を南小国町で開催しました

情報公開日:2017年1月 5日 (木曜日)

“研究成果を現場へお届け ~成果宅配便『周年放牧肥育技術』~”を熊本県南小国町で開催しました

  平成28年10月27日(木曜日)、黒川温泉郷で名高い南小国町において成果宅配便を開催しました。成果宅配便は研究者自らが成果を直接、現場にお届けする農研機構 九州沖縄農業研究センターの普及活動です。今回のテーマは、周年放牧による赤身牛肉の生産技術紹介と試食を通じた意見交換です。

写真1 周年放牧肥育牛
写真1 周年放牧肥育牛

  成果宅配便には、南小国町髙橋町長ら役場関係者、赤身牛肉の普及促進に尽力されているANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイ・レストランサンシエロの臼杵シェフ、地元で繁殖牛生産に取り組む畜産農家、飲食業関係者ら30名ほどの方が参加しました。会場となった料理教室の前の方を占めているのは、黒川温泉郷の女将さんたち13名です。

【挨拶】 
・当センターの栗原所長からの抱負 
  周年放牧はおいしい赤身牛肉を食べたいという消費者の要望に応える技術です。市場ではまだ霜降り牛肉が中心ですが、今回の取り組みを通し、周年放牧が点から面へと普及拡大することを期待しています。;
・阿蘇のあか牛・草原牛プロジェクトに取り組む橋村代表理事からのご挨拶 
  南小国で放牧を行っていますが、このたび、九州沖縄農業研究センターから「支援しましょう」とのお誘いがあり、うれしく思っています。熊本あか牛は現在2千頭程度で減少に向かっていますが、世界遺産登録された阿蘇の牧野を活用して3年ぐらいで結果が出せればと願っています。;
【成果紹介】 
  当センターの金子主任研究員から「周年放牧による草地管理と飼養管理の特徴」について、農研機構・食農ビジネス推進センターの後藤上級研究員からは「放牧赤身牛肉への消費者意識」について話題提供がありました。

写真2 赤身牛肉料理を語る臼杵シェフ
写真2 赤身牛肉料理を語る臼杵シェフ

写真3 赤身牛肉料理を見入る皆さん
写真3 赤身牛肉料理を見入る皆さん

【赤身牛肉料理の実演と試食】 
臼杵シェフにより、シーザーサラダやスープにポトフ、ミートソースやパスタなど赤身牛肉の様々な部位を活かした料理が次々と実演され、出来上がったばかりの料理が皆さんの前に運ばれます。;
・臼杵シェフのメッセージ 
放牧牛は全体的に雑味がないのが特徴。スープは味がクリアだと強く感じています。「放牧の和牛」を使った料理としてどれも一品の価値があります。あか牛は部位により様々な調理法がありますが、今回、皆さんに披露できて何よりです。;
【意見交換】 
  ・宿のお客さんの目の前で、焼いてカットしてお出ししたい。肉はどの部位がベストか?
  →臼杵シェフの回答:「基本はサーロインだがコースによって違う。ドリップ(肉汁)を落ち着かせるのがポイント。焼いた後、雑談でもしながら肉を少し休ませる(冷ます)のがよい。」
  ・放牧肥育した肉は本当に美味しいが、頭数が少ないし、関東に流れてしまう。温泉組合で一頭買いを契約するのがよいのでは。
  ・南小国は繁殖が多いが、肉は少ない。広大な草原を有効に活用すれば肉が作れる。草原を守るためにも。
  などなど、会場からは質問や意見が尽きません。

写真4 赤身牛肉料理1
写真4 赤身牛肉料理1

写真5 赤身牛肉料理2
写真5 赤身牛肉料理2

【南小国町髙橋町長からの期待】 
広大な草原をいかに活かすかは南小国町の大きな課題です。現状では、野焼きもボランティアに頼らないとできません。今回は、旅館、飲食店からも参加があり、シェフから学びや気づきがあったと思います。「南小国のメインディッシュ」として、草を食む牛を見る観光客が牛肉を食べる、というような好循環が生まれればと期待しています。

写真6 赤身牛肉料理3
写真6 赤身牛肉料理3

周年放牧は、広大な牧野が広がる南小国町で農業と観光を結ぶ技術になりそうです。 

*周年放牧における牧草の栽培方法や牛の育て方、赤身牛肉料理はこちらの動画 で詳しく紹介しています。是非、ご覧ください。

研究成果情報はこちらでご覧いただけます。;
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2015/15_025.html

法人番号 7050005005207