研究活動報告詳細

平成30年度九州沖縄地域マッチングフォーラムを開催しました

情報公開日:2018年11月19日 (月曜日)

東海大学熊本キャンパス<br />
東海大学熊本キャンパス

会場の2号館<br />
会場の2号館

日時

平成30年9月11日(火曜日)9時30分から17時10分

場所

東海大学熊本キャンパス2号館(熊本県熊本市東区渡鹿9-1-1)

主催

農林水産省大臣官房政策課技術政策室、農研機構九州沖縄農業研究センター、九州農業試験研究機関協議会

協賛

熊本県、農林水産省九州農政局、公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会、東海大学

後援

熊本県農業会議、熊本県農業協同組合中央会、熊本県経済農業協同組合連合会、熊本県畜産農業協同組合連合会、熊本県酪農業協同組合連合会、熊本県果実農業協同組合連合会、熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会

参加者数

200名(生産者団体16名、一般3名、企業18名、報道機関1名、市町村関係10名、国の行政部局12名、独法・国立研究開発法人等37名、県の行政部局12名、普及関係1名、研究関係90名)

開催概要

   消費の変化、担い手不足、高齢化等の問題に農業が直面する中、「多様な土地利用型農業の展開」をテーマに掲げ、農産物の高付加価値化や省力・低コスト生産を通じた収益性向上・競争力強化といった諸課題に対応可能な最近の水田作と畑作の技術として、飼料用米、いぐさ、夏期湛水および加工用ホウレンソウをめぐる4つの技術が紹介され、来場者も一緒になり討論が行われました。
   また、今回は農林水産省から、データと先端技術のフル活用による生産性の飛躍的向上と地域農業の振興を目指したスマート農業の実現に向けた施策について最新の情報が提供され、来場者との間で意見交換が行われました。
   パネル展示・技術相談では、東海大学からの展示も併せ52件の展示があり、最新の成果を含む資料の配付等が行われ、参加者との活発な議論が行われました
   ご来場の皆様、協賛および後援をいただいた団体等の方々に、この場をお借りし厚く御礼申し上げます。

主な内容

[1]スマート農業の実現に向けて(施策説明および意見交換)
     (1)農業データ連携基盤(WAGRI)について
     (2)スマート農業技術の現場への実装について
         農林水産省大臣官房政策課技術政策室

[2]研究成果発表
     (1)籾米サイレージ活用による低コスト飼料供給に関する取組
      ◆ 発表者
         熊本県農業研究センター 畜産研究所 飼料研究室長 鶴田 勉
         ネットワーク大津株式会社 農地管理係 主任 益田 友輝

    ◆ 概要
  •    飼料用米は、家畜飼料の主原料である輸入トウモロコシなどの代替穀物としての利用が期待されており、主食用米の需給調整に伴う水田の有効活用と同時に飼料自給率の向上も見込まれることから熊本県ではその利用拡大を進めています。飼料用米は、保管経費が不要なサイレージ調製での利用とするため、収穫時には、短期間で大量の飼料用米を処理するプラントの開発が必要でした。今回、製造能力が高いサイレージプラントにTMRの製造機能を付加したプラントを開発しました。大規模集落営農法人がこのプラントを活用して低コスト飼料供給に取り組み組む事例をご紹介しました。

     (2)水田農業の収益性向上のための高生産性いぐさ生産体系の確立および健康機能性商材向け加工・流通技術の確立
      ◆ 発表者
         熊本県農業研究センター アグリシステム総合研究所 いぐさ研究室 研究参事 川口誠仁
         九州大学大学院 農学研究院 環境農学部門 サスティナブル資源科学講座 准教授 清水 邦義
    ◆ 概要
  •    熊本県は国産いぐさの95%以上を生産しています。しかし、和室の減少や和紙畳等の台頭をはじめとしたいぐさ需要の低迷により、近年いぐさを取り巻く情勢は大変厳しくなっています。そのような状況の中で、いぐさ生産者の所得向上や作業環境の改善のためには、複合的な取組みが必要と考え、産学官連携のもと、次の3本の研究を実施しています。即ち、新品種「涼風」の生産性向上及び無染土生産技術確立、いぐさの用途別の加工技術確立、いぐさ空間がヒトに与える影響の検証による高付加価値化及び需要開拓です。これにより「収量UP×利用率UP×単価UP×需要UP」の4UPと労働環境改善を達成し、いぐさ生産者のQOL向上を図ります。今回は、その進捗状況と今後の展開についてご紹介しました。

     (3)夏期湛水による営農効果と地下水涵養
      ◆ 発表者
         農研機構九州沖縄農業研究センター 畑作研究領域(都城) 畑土壌管理グループ 上級研究員 島 武男
         おおきく土地改良区 総務課 庶務会計係長 宮本 靖也
    ◆ 概要
  •    熊本地域においては上水の水源として地下水が利用されており、地下水保全が重要な課題です。白川中流域に位置する「おおきく土地改良区」の受益圃場からの地下浸透水は重要な涵養源であり、その涵養量を増やすために休閑期の転作田への夏期湛水が行われています。夏期湛水は地下水保全だけでなく、藻類による窒素固定、過剰な有機物分解の抑制等による地力向上にも寄与すること、ネコブセンチュウ等の有害線虫防除効果があることも報告されています。また、夏期湛水実施には土地改良区が大きく貢献しています。本報告では、夏期湛水を流域、水利システム、圃場と三つの視点でとらえ、その効果、実態を明らかにしました。

     (4)加工用ホウレンソウの多収抑草技術の開発による機械収穫生産体系の確立機械収穫生産体系の確立
      ◆ 発表者
         農研機構九州沖縄農業研究センター 畑作研究領域(都城) 畑機械・栽培グループ長 石井 孝典
         株式会社ニシザワ 代表取締役社長 西澤 准一
    ◆ 概要
  •    近年、加工・業務用ホウレンソウの需要は増加しており、国内生産への要望も高くなっています。しかし、その生産基盤は担い手の不足などから弱まっており、こうした需要に対応することがますます困難になっています。大規模生産では大型乗用収穫機械を中核とした生産体系への移行が進む一方、中小規模生産においてはこうした機械化体制の構築が遅れています。取り組みが遅れている中小規模生産に対応した機械収穫体系を確立し、機械収穫に伴う異物混入リスクの低減に向けた生産者と加工実需者の両面からの対策技術や、定時定量出荷のために生産・出荷量の平準化を図る安定生産技術の開発を行いました。

農林水産省からの施策説明<br />
農林水産省からの施策説明

研究成果発表<br />
研究成果発表

パネル展示・技術相談<br />
パネル展示・技術相談

総合討論<br />
総合討論