研究活動報告詳細

平成31年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞報告

情報公開日:2019年5月 9日 (木曜日)

平成31年4月17日(水曜日)に、平成31年度科学技術分野の文部科学大臣表彰の表彰式が行われ、農研機構の研究者が科学技術賞を受賞しました。

受賞業績および所属の概要は以下の通りです。

平成31年度文部科学大臣表彰 科学技術賞研究部門

受賞者

農業環境変動研究センター 有害化学物質研究領域作物リスク低減ユニット石川覚 ユニット長

業績名

カドミウムを吸収しない水稲の育成とその利用に関する研究

【業績内容】
人体に有害な物質であるカドミウムの食品からの摂取量を減らすために、日本では主要な摂取源となっているコメ中のカドミウム濃度を下げることが重要です。そこで、水稲がカドミウムを吸収する仕組みを遺伝子レベルで解明し、突然変異法を使ってカドミウムをほとんど吸収しない水稲品種「コシヒカリ環1号」を育成しました。また、この品種のもつカドミウム吸収抑制遺伝子を簡易に検出するための目印(遺伝子マーカー)を開発したことで、コシヒカリ以外の水稲品種を効率良くカドミウム低吸収タイプに変えることができるようになりました。現在、全国の多くの水稲品種を対象にこの特性を付与する取り組みが進められています。この成果は、従来よりも低コストで、効果の高いコメ中カドミウム低減対策として、農作物・食品の安全性向上を通じた人々の健康維持に貢献することが期待されています。


石川ユニット長

平成31年度文部科学大臣表彰 科学技術賞開発部門

受賞者

食品研究部門 食品分析研究領域信頼性評価ユニット橘田和美 ユニット長 (筆頭者)
食品研究部門 食品生物機能開発研究領域酵素機能ユニット真野潤一 主任研究員
食品研究部門 食品分析研究領域信頼性評価ユニット高畠令王奈 上級研究員

業績名

多様な遺伝子組換え作物に対応可能な食品検査法の開発

【業績内容】
近年、トウモロコシやダイズ等の遺伝子組換え(GM)作物において、新たに開発される品種が著しく増加しています。新規な系統のGM品種は従来検査法では検出できず、検査漏れの恐れが生じていました。その一方、最近急激に増加しているGM品種同士を掛け合わせた品種(スタック品種)に対しては、従来の検査法では混入率を過大に評価してしまう可能性が生じていました。このような新規で多様なGM作物の流通により生じうる検査の不具合を解決するために、新規系統の特異的検出法やスタック品種の混入の影響を受けない検査法等を開発しました。これら一連の検査法は公定検査法として採用され、トウモロコシ及びダイズの円滑な貿易と、わが国のGM食品表示の信頼性確保に寄与しています。

左から高畠上級研究員、橘田ユニット長、真野主任研究員