研究活動報告詳細

養豚農家で使える受精卵移植技術の実証に成功
-伝染病侵入の危険が少ない、種豚導入技術に期待!!-

情報公開日:2017年1月24日 (火曜日)

受精卵を簡便に凍結保存する技術と開腹手術がいらない受精卵移植技術を開発することで、凍結保存した受精卵による子豚の産生が養豚農家でできるようになりました。これにより、種豚の移動に伴う伝染病侵入のリスクや経済的負担を低減できます。

研究の背景

「受精卵移植」は代理(借り腹)母豚に受精卵を移植して、子豚を生産する繁殖法です。繁殖農場に外部から生体として種豚を導入しなくて済むので、種豚が伝染病を持ち込むリスクを低減でき、また種豚の移動に伴う経済的負担も軽減できることから、養豚産業では実用化が望まれてきました。これまで、牛では開腹手術をせずに、腟から子宮頸管を介して子宮内に受精卵を移植する方法により受精卵移植が行われていましたが、雌豚は生殖器官の構造が複雑なため開腹手術が必要で、一般の養豚農家で受精卵移植を行うことはできませんでした。また、豚の受精卵を簡便に凍結保存する技術もありませんでした。

受精卵の簡便な凍結保存技術を開発

受精卵を簡便に凍結保存するための凍結保存液を開発しました。これにより、生存性の高い受精卵を長期間保存し、持ち運ぶことが可能になりました。

開発した受精卵凍結保存液

開腹せずに受精卵を移植する技術を開発

豚に適した受精卵移植用カテーテルを開発しました。これにより、開腹手術をせずにカテーテルを用いて受精卵を移植することが可能になりました。

開発した受精卵移植用カテーテル

これらの技術を組み合わせて、実際に子豚が誕生

凍結保存しておいた受精卵を解凍後に一般の養豚農家に輸送し、カテーテルを用いて移植することで、子豚の作出に成功しました。これにより、開発した技術が実際に使えることが確認できました。

技術を組み合わせて、実際に子豚が誕生

 

本成果は、農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業「生産現場で活用するための豚受精卵移植技術の確立(25052C)」によるものです。
共同研究機関:佐賀県畜産試験場、(株)機能性ペプチド研究所

法人番号 7050005005207