研究活動報告詳細

抗生物質に替わるサイトカインを用いた乳房炎治療技術の確立-平成21年度事前評価会議報告-

情報公開日:2009年8月28日 (金曜日)

評価結果として公表する内容

プロジェクト名

抗生物質に替わるサイトカインを用いた乳房炎治療技術の確立

プロジェクトの目的・概要 [別図参照(PDF)]

乳房炎は酪農経営を脅かす最大の搾乳牛の疾患であり、殆どの症例で抗生物質による対症療法が執られているが、原因菌の乳腺組織への定着性が早く慢性化しやすいため、治癒率は極めて低いのが現状である。また抗生物質を用いた治療は、乳汁中の薬剤残留や耐性菌出現などの問題もあり、食品としての牛乳の安全性も脅かしている。本研究では、動物衛生研究所のこれまでの研究により既に明らかにしている遺伝子組換えウシサイトカインの乳房炎治療効果を、原因菌が乳房内に定着する際の細菌側の接着・定着とそれを阻む乳腺組織での免疫機構、薬理学的に解明し、最終的に臨床現場で活用出来る抗生物質に替わる有効かつ安全性の高いサイトカインを用いた乳房炎治療技術を確立する。本研究の構成は、第2期中期計画に全て則している。

参画機関等

  • 動物衛生研究所
  • 畜産草地研究所

評価委員の氏名・所属

  • 小岩政照
    酪農学園大学獣医学部教授
  • 安部 良
    東京理科大学生命科学研究所長

評価結果の概要

(計画の妥当性、計画の達成可能性についてはA、Bの2段階評価、総合評価は1~3の3段階で評価)

A委員評価

計画の妥当性
A: 研究の目的と計画が明確かつ具体的であり妥当である。
計画の達成可能性
A: 研究計画に無理が無く、達成可能であると評価する。
総合評価
2: 「一部見直しが必要である」
総合コメント
事前計画において、乳房炎の感染実験等の一部見直しを必要とする部分もあるが、計画の達成が具体的かつ明確であり、順調に評価されるものと評価する。

B委員評価

計画の妥当性
A: すでに得られている研究成果に立脚して具体性のある計画が練られている。
計画の達成可能性
A: 研究遂行上必要な多くの技術はすでに確立されており、それを熟知している研究者が研究担当者として参加している。
総合評価
1: 「適切である」
総合コメント
  1. ヒトの医療現場では治療薬としてリコンビナントサイトカインが盛んに使用されてきている現在、民間企業がその大量産生システムの開発に力を注いでいる。それらの情報収集、さらには、連携なども視野に入れることが望まれる。
  2. 炎症局所では極めて複雑なサイトカインネットワークが形成されていることが主としてマウスを用いた研究により明らかにされている。このプロジェクト研究を通じて反芻動物の免疫系、特に乳房内における免疫システムについての理解が深まることを期待する。

評価結果を踏まえた改善措置概要

本事前推進会議後速やかに研究実務者会議を開き、指摘コメントあるいは個別研究課題に対して出された問題点について検討することとした。またこの研究実務者会議は3ヶ月ごと開催し、その都度研究推進責任者がその進捗状況を把握し、問題があればさらに改善を促すこととした。今回評価委員より指摘を受けた一部見直しが必要であるとの内容については直ちに第1回研究実務者会議(5月11日)に開催し、改善策の検討、一部見直しを行ったところである。

法人番号 7050005005207