研究活動報告

日本獣医学会賞を受賞しました。

情報公開日:2020年10月27日 (火曜日)

明治18年に創立された大日本獣医会にその源を発する歴史ある日本獣医学会の学会賞を、動物衛生研究部門の髙松大輔ユニット長が受賞しました。

受賞

2020-2021年度日本獣医学会賞

受賞対象

蜜蜂の腐蛆病菌の多様性、生存戦略及び診断・予防法に関する研究

受賞者

動物衛生研究部門 細菌・寄生虫研究領域
病原機能解析ユニット長髙松大輔

受賞日

2020年9月18日

受賞業績の概要

蜜蜂はハチミツ採取の目的だけではなく、多くの果物や作物の受粉に利用される農業を陰で支える重要な生物資源です。蜜蜂は家畜伝染病予防法で家畜として扱われ、その感染症のいくつかは監視伝染病に指定されていますが、これまで国内の獣医系大学や研究機関には蜂病の専門家はほとんどいませんでした。国際的にも、蜂病研究は主に蜜蜂の研究者が行なっており、獣医学および微生物学的な視点で解析されている例は稀でした。髙松ユニット長は、獣医学の中で取り残されていた蜜蜂に目を向け、蜜蜂の法定伝染病である細菌感染症「腐蛆病」に関する研究を獣医学的な視点から切り開いてきました。
特に、ヨーロッパ腐蛆病菌に、これまで知られていた株とは大きく性状が異なる株が存在することを明らかにし、その検出法を開発して農水省が定める「病性鑑定指針」の腐蛆病の項目の大幅な改定に貢献しました。また、ヨーロッパ腐蛆病菌のゲノムを世界で初めて解読し、独自の遺伝子操作技術を使って本菌の多様性に寄与する遺伝子や抗菌物質耐性機構の解明にも成功しました。
さらに、もう一つの腐蛆病菌であるアメリカ腐蛆病菌についても国内分離株の多様性と薬剤感受性を調査して腐蛆病予防薬の有効性を検証するとともに、微酸性次亜塩素酸水や亜塩素酸水の腐蛆病菌に対する消毒効果を検証して、効果的な予防を行う上で有益な情報の提供も行ってきました。
基礎から応用まで幅広く行われたこれら一連の腐蛆病研究の業績が評価されて、今年度の日本獣医学会賞が授与されました。

受賞者写真