研究活動報告詳細

「非晶質ケイ酸カルシウム水和物(CSH)添加による畜舎汚水処理水からの色度及びリンの同時除去」第47回環境工学研究フォーラム環境技術・プロジェクト賞(土木学会)

情報公開日:2010年11月14日 (日曜日)

平成22年11月12日~14日、高知大学で開催された社団法人土木学会の第47回環境工学研究フォーラムにおいて、「非晶質ケイ酸カルシウム水和物(CSH)添加による畜舎汚水処理水からの色度及びリンの同時除去」の研究成果が環境技術・プロジェクト賞を受賞しました。

受賞者

代表発表者
山下恭広(畜産草地研究所 浄化システム研究チーム)

連名受賞者
明戸剛(太平洋セメント株式会社 中央研究所)
美濃和信孝(小野田化学工業株式会社 研究開発本部研究所)
杉本清美(千葉県畜産総合研究センター)
横山浩(畜産草地研究所 資源化システム研究チーム)
荻野暁史(畜産草地研究所 浄化システム研究チーム)
田中康男(畜産草地研究所 浄化システム研究チーム)

内容

背景と目的

畜舎汚水処理においては、正常に処理されても茶褐色に着色している場合が多い。処理水が着色していると未処理と誤解され苦情の原因になるため、対策が必要である。そこで、本研究では、フッ化物生産過程の副産物である非晶質シリカに着目し、これと消石灰を原料として合成した非晶質ケイ酸カルシウム水和物資材(以下、CSH資材)を用いて、畜舎汚水処理水からの脱色効果を検討した。さらに、リンの除去効果についても検討を行った。

内容・特徴

膜分離活性汚泥法を用いて汚水処理を行っている養豚農家の処理水に、CSH資材を添加した結果、0.5%以上の添加率で急激な色度低減が認められ、ほぼ透明となる脱色効果が得られた。一方、リン除去においては、0.1%の添加率で約25 mg PO4-P/Lのリンがほぼ消失した。このことから、CSH資材は、高度な色度及びリンの除去効果を発揮することが明らかとなった。
無機凝集剤(硫酸アルミニウム及び塩化第二鉄)とCSH資材の比較を行った結果、無機凝集剤でも添加量を増加させることで脱色効果が得られるが、汚泥量が過剰に増大する傾向にあり、実際の汚水処理施設に適用しにくいことが示唆された。一方、CSH資材を用いた場合では、汚泥が過剰に増大するようなことはなく、無機凝集剤よりも使い勝手が良い資材であることが示された。
実際にCSH資材を適用する場合、通常の生物処理を行った後の畜舎汚水処理水にCSH資材を混合し、その後沈殿させることにより、脱色及びリン除去された上澄液が得られる。また、この際に高アルカリ化するため、消毒効果も発揮される。最終的には、必要に応じて炭酸ガスなどで中和して放流する。一方、沈殿したCSH資材は生物処理で発生する余剰汚泥と混合させることにより、汚泥濃縮を促進できる。さらに、使用後のCSH資材にはリン、カルシウム、シリカが多く含まれるため肥料としての利用が期待できる。このように、使用済みのCSH資材は廃棄物とすることなく、有効利用可能というメリットがある。

表彰式風景賞状ポスター風景

法人番号 7050005005207