研究活動報告詳細

平成25年度第3回東北農研連携推進ツアー

情報公開日:2013年9月10日 (火曜日)

8月27日(火曜日)に第3回のツアーを開催し、農研機構のOBでダイズ育種が専門の酒井眞次氏のご案内で、農事組合法人「二子中央営農組合」(岩手県北上市)、同「ゆいっこの里犬草」(岩手県紫波町)、同「室岡営農組合」(岩手県矢巾町)を総勢11名が訪問しました。二子中央営農組合は、全国豆類経営改善共励会(大豆・集団の部)において平成18年度生産局長賞と平成22年度農林水産大臣賞、ゆいっこの里犬草は平成24年度農林水産大臣賞を、また、室岡営農組合は、平成23年度全国麦作共励会(集団の部)農林水産大臣賞を受賞しており、いずれも田畑輪換の優れた取り組みで知られています。

二子中央営農組合は、水稲、サトイモ、大豆のブロックローテーションによる輪作体系に取り組んでいます。特に大豆作では、「小畦立て播種」(岩手農研開発)を独自改良して導入し、湿害対策を進めながら作柄の高位安定化や高品質生産を実現してきました。水稲については湛水直播栽培を一部で導入していますが、鉄コーティング種子も鳥害を受ける点、また減農薬・減化学肥料栽培を実施するうえで、除草剤散布の回数が問題になる点等が指摘されました。

次に訪問したゆいっこの里犬草は、「ユキホマレ」(道立十勝農試育成)を導入した大豆の晩播栽培により、水稲―小麦(東北農研育成「ゆきちから」)―大豆・そばのブロックローテーションを実施しています。北東北では難しい2年3作に取り組み、大豆の高単収、高品質を実現している点が大きな特徴ですが、近年「ユキホマレ」の収量低下が目立つことから、7月下旬以降の晩播に適した品種の育成について要望が出されました。

最後に訪れた室岡営農組合は、平成18年に東北農研開発の「麦・大豆立毛間播種技術」の導入により麦単作から小麦-大豆の2毛作へと転換し、「ゆきちから」で単収300kg以上を達成した実績を持ちます。昨年度にはFOEAS(地下水位制御システム)を導入したほか、当所開発の大豆新品種「東北166号」の試験栽培にも取り組んでいます。現在の技術的課題としては、麦作後に大豆作を実施する場合の播種機の不具合や雑草対策があげられました。

いずれの訪問先でも技術導入による営農革新への積極的な姿勢が感じられ、こうした意欲ある生産者との連携は、開発技術が「目利き」の評価を経て、本当に生産現場に役立つものとなるために不可欠であることをあらためて認識した1日となりました。

二子中央営農組合で独自に改良した「小畦立て播種機」を前に、説明を受けました。
二子中央営農組合で独自に改良した「小畦立て播種
機」を前に、説明を受けました。

ゆいっこの里犬草では、実需者との連携による商品開発も進んでいます。
ゆいっこの里犬草では、実需者との連携による商品
開発も進んでいます。

室岡営農組合では東北166号が見事な生育ぶり。
室岡営農組合では東北166号が見事な生育ぶり。

法人番号 7050005005207