研究活動報告詳細

平成25年度第4回東北農研連携推進ツアー

情報公開日:2013年10月17日 (木曜日)

爽やかな秋晴れのもと、第4回ツアーを9月30日(月曜日)に秋田県で実施しました。今回は、東北農業研究センター育成のリポキシゲナーゼ欠失大豆品種「すずさやか」を導入している農業生産法人「まめっこ角館」(仙北市)と、「すずさやか」を使用した商品を製造・販売している株式会社「ヤマダフーズ」(本社:美郷町)、また昼食時には、「農事組合法人中仙さくらファーム」(大仙市)が経営する農家レストランを15名で訪問しました。

まめっこ角館には、鉄コーティング湛水直播と大豆の有芯部分耕栽培をキーテクノロジーとした研究課題で、実証試験地として3年間ご協力いただいた経緯があり、昨年度からは交付金プロジェクト「大豆の収量限界向上に向けた基盤的研究」で実証試験をお引き受けいただいています。平成18年に「すずさやか」を導入し、現在では秋田県産のほとんどがまめっこ角館の生産によるものです。生産した「すずさやか」は、加工原料としてヤマダフーズや地元企業に供給され、青臭味が少ないという特性を活かして豆乳や豆乳クリーム等の製品に使用されています。代表の佐々木英政さんら組合員の皆さんからは、「すずさやか」について、リュウホウ(東北農研育成)を上回る収量が達成できる点や連作に強い点で高い評価をいただきましたが、一方で、単収をさらに上げるためにも、「すずさやか」と同系統の早生品種の育成を望む声が上がりました。

まめっこ角館で試験圃場を見せていただいた後、一行は「道の駅なかせん」内に3年前オープンした農家レストラン「元気な農家」へ。中仙さくらファーム代表の田村誠市さんから、平成24年度全国優良経営体「農林水産大臣賞」を受賞した同ファームの取り組みの概要について説明を受け、地元食材たっぷりの昼食をいただきました。

最後に訪問したヤマダフーズは、「おはよう納豆」で知られる大手納豆メーカーです。今回は、豆乳や豆腐の製造工場である匠の味工房「遊心庵」(横手市)にうかがい、製造工程を見学した後、代表取締役の山田伸祐さんをはじめ担当者の方々と原料用大豆について情報交換を行いました。現在ヤマダフーズでは、「すずさやか」100%使用の豆乳や豆乳ヨーグルトを製造しており、「すずさやか」の使用は商品の差別化にも役立っているそうです。平成24年からは「すずさやか」の契約栽培を開始しましたが、近年は粒の大きさにバラツキが生じ小粒の割合が増えるという問題も起きています。小粒を使用するとサポニン含量が増加しえぐみが強くなるため、粒径の大きな品種が望まれるとのことでした。このほかにも、納豆業界では粒径の基準値が生産サイドの定めるものと異なること、豆乳や豆腐では裂皮は問題にはならないこと等、情報交換を通じて、原料用大豆の品質をめぐる実需者サイドとの認識の違いが明らかになりました。

今回の訪問では「すずさやか」への評価を通じ、新たな品種育成への要望を頂戴しました。現場に活きる技術開発に取り組むうえでは、こうした生産者ニーズ、実需者ニーズをふまえた課題設定が欠かせませんが、研究を進めていく際にも現地試験や商品テスト等で、現場の方々の助言や協力が必要です。生産者や実需者の方々に試験研究活動を身近に感じてもらい快く協力していただくためにも、情報交換を通じた日頃の関係づくりを忘れずにいたいものです。

「まめっこ角館」の皆さんと熱心な議論がかわされました。
「まめっこ角館」の皆さんと熱心な議論がかわされました。

あきたこまち麺や旬の野菜等、地元食材をふんだんに使った料理を楽しみました。
あきたこまち麺や旬の野菜等、地元食材をふんだんに
使った料理を楽しみました。

「遊心庵」では、豆乳・豆腐の製造工程の説明を受けました。
「遊心庵」では、豆乳・豆腐の製造工程の説明を受けました。

法人番号 7050005005207