研究活動報告詳細

平成26年度第3回東北農研連携推進ツアー

情報公開日:2014年7月22日 (火曜日)

今年度3回目となる連携推進ツアーは、7月15日(木曜日)に秋田県で実施しました。今回対象とした技術は、水稲の直播栽培とその適性品種です。水田作研究領域の白土主任研究員、梶主任研究員の同行により「有限会社渡辺 清米 ( きよめ ) 商店」(大仙市)と「農事組合法人アグリ白藤」(横手市)を総勢12名で訪問しました。

今年で創業96年を迎える渡辺清米商店は、東北農業研究センターが育成した直播栽培用水稲品種「萌えみのり」の栽培普及のほか、系列会社「株式会社仙北こまちの会」を通じ「萌えみのり」の販売にも取り組んでいます。専務の渡辺与志秀さんによれば、「萌えみのり」の栽培には現在8戸ほどが取り組んでおり、首都圏や外食産業が主な販売先です。「萌えみのり」は粒が大きく食味も良いので、外食産業では好評だとか。昨年度あたりから認知度も高まっているそうです。ただ、いもち病の抵抗性が低い点が普及を妨げる要因になっているため、「えみのあき」をはじめ、いもち病に強い後継品種に寄せる期待はかなり大きいようです。今回は渡辺さんのご案内で、「萌えみのり」の圃場だけでなく、昨年度品種登録出願公開したばかりの米粉パン専用水稲品種「ゆめふわり」の圃場も訪れました。育成者の梶主任研究員から品種の特徴について説明を受けた後、生産者の高見さんからお話をうかがったところ、栽培のし易さは「あきたこまち」と変わらないとの評価をいただきました。収穫後は秋田県内の製パン業者が試作品に取り組む予定もあり、今秋が大変楽しみです。

次の訪問先であるアグリ白藤は、平成20年に水稲の直播栽培を導入しました。当初はカルパー剤でコーティングした種子を用いていましたが、コーティングの作業時期が野菜の育苗時期と重なってしまうため、鉄コーティング種子による湛水直播に切り替え、昨年度からは「萌えみのり」の無コーティング種子による代かき同時播種の現地試験にもご協力いただいています。白土主任研究員から現地試験の概要について説明を受けた後、代表理事の林輝夫さんから技術への評価を中心にお話をうかがいました。無コーティング種子による直播栽培は試験圃場を含め4haほどにのぼりますが、苗立率は80%前後と、無コーティングでも全く問題がないとのこと。動力散布機で播種が可能で、育苗あるいはコーティングのための生産費はもちろん労力も掛からないので、小規模農家ほど取り組むべきだと林さんは力説されていました。来年度は、無コーティング種子による直播栽培面積を倍増する計画だそうです。

今回の訪問先はいずれも当所の開発技術に積極的に取り組み、普及に一役も二役も買ってくださっていました。こうした方々のご協力を無駄にしないよう、今後も生産者、実需者が周囲に薦めたくなるような魅力ある技術の開発に努めていきたいものです。

すくすく育った「ゆめふわり」を前になごやかなムードで情報交換。
すくすく育った「ゆめふわり」を前になごやかなムードで
情報交換。

無コーティング種子でもコーティングした場合と遜色ない様子にびっくり。
無コーティング種子でもコーティングした場合と遜色ない
様子にびっくり。

法人番号 7050005005207