研究活動報告詳細

平成26年度第5回東北農研連携推進ツアー

情報公開日:2014年12月12日 (金曜日)

12月3日(水曜日)に第5回連携推進ツアーを開催しました。今回は、水田作研究領域の太田上席研究員の同行により、都内にある「東洋ライス株式会社」と「全国農業協同組合連合会(JA全農)」を総勢9名で訪問しました。

大手の米穀総合メーカーである東洋ライスは、精米機器等の製造販売のほか、最近では、胚盤と亜糊粉層(あこふんそう)を残す精米をした商品「金芽米」でよく知られています。東北農業研究センターは、東洋ライスと共同で、精米時に胚盤が残りやすく金芽米に適する品種「きんのめぐみ」を育成(2011年)した経緯があり、現在も、新たな品種の育成をめざして、共同研究に取り組んでいるところです。東洋ライスでは、取締役副社長の阪本さんや担当者の方々から、事業内容の概要や「きんのめぐみ」の生産動向についてご説明いただいた後、意見交換を行いました。「きんのめぐみ」については、「あきたこまち」より栽培し易く多収であるという特長が生産現場で評価されている一方、作付面積の拡大には種子供給体制の不備が障害になりつつあるとのことでした。現在、「きんのめぐみ」のほかにも様々な品種を使って金芽米を製造し、海外にも輸出しているそうですが、精米後の米を輸出する都合上、劣化による食味の低下が大きな問題となるため、「精米後に劣化しにくい品種の育成はできないか」とのご要望をいただきました。また、近年の消費者、実需者ニーズの変化に即応できるよう、育種のスピードアップを図ってほしいとの声もあがり、これまでの育成系統や品種をうまく活用しながらニーズの動きを素早く捉えて育種していくことの必要性が示唆されました。

次に訪問したJA全農では、営農販売企画部長の谷さんやつくば分室の山川さんら、5名の方々の出席を得て、意見交換を行いました。はじめに、農研機構と共同もしくは連携して実施している事業等についてJA全農からご説明いただき、その後、東北農業研究センター育成の水稲品種や稲作関連の開発技術について、紹介を交えながらご要望をうかがったところ、ここでも種子供給の問題が話題にのぼりました。育成品種の円滑な普及を促すためには、品種の特長に対する周知を図ると同時に、栽培してみたいという要望に応え早期に種子を供給することが不可欠ですが、県が奨励品種に採用していない品種についてはそうした体制が整っておらず、普及のチャンスを逃しているのが現状です。今回、東北農業研究センターが育成した新品種に対して、JA全農の参加者の方々からは強い関心を寄せていただきました。こうした機会を積極的に普及の足がかりとしていくためには、今後、農研機構育成品種をめぐる種子供給体制にも何らかの工夫を施していく必要がありそうです。

法人番号 7050005005207