研究活動報告詳細

平成29年度農研機構シンポジウム「放射性セシウム吸収抑制対策の今後を考える」を開催しました

情報公開日:2017年12月28日 (木曜日)

開催日時

平成29年12月4日 (月曜日) 11時00分~17時00分

開催場所

コラッセふくしま   多目的ホール (福島県福島市三河南町1-20)

参加者数

176名 (行政・普及機関 52名、大学等教育機関 9名、JA 12名、公益法人等10名、企業 5名、マスコミ 4名、試験研究機関 81名 (うち公設試 37名) 、生産者・その他 3名)

開催概要

長谷部理事、福島農業総合センター小巻所長による開会の挨拶に続いて、「水稲におけるカリ適正化のための統計モデル解析」、「植物によるセシウム吸収メカニズム」、「粘土鉱物組成がカリ施用の有効性に及ぼす影響」、「圃場残渣など有機物供給とカリの物質循環」、「稲わら施用によるカリ供給効果」、「放射性セシウム低吸収水稲品種の開発」、「ダイズにおける対策と問題点」、「ソバにおける対策と問題点」、「牧草における対策と問題点」と、9題の講演がありました。

総合討議では、会場からの質問票を基に熱心な議論が行われました。

  1. 土壌の粘土鉱物の性質や簡易な測定法について、「粘土鉱物の組成や量がカリの供給や放射性セシウムの動態に影響することを想定するならば、詳細な地質図に基づく分析が必要である」との指摘がありました。
  2. 地域資源として利用可能な資材の適正投入量などについて、堆肥の活用も含めてカリウム供給の視点からの研究の必要性が指摘されました。
  3. 植物の吸収移行メカニズムに関する低吸収品種の開発も含め、他の作物への適用可能性や複数の現地への適用性について、遺伝子の存在から大豆などでも期待ができることや、耐塩性を付与する技術的な展開可能性についての議論がなされました。
  4. 移行係数を用いることの是非について、モデルとして解析するためには必須の作業であり、これに基づいて様々な汚染レベルの土壌に適用可能になることが示されました。
  5. セシウム低吸収品種の味や生育、病害虫の影響について、病害虫に関して今後検討が必要であることが述べられました。
  6. 「水稲の解析例ではカリが少ない圃場例が限定的であるためモデル化は危険ではないか」との質問に対しては、実証試験などを通してモデルの検証を進めていることが紹介されました。
  7. 植物による土壌への直接的な働きかけが移行メカニズムに影響をしている可能性について、その可能性が大きく、今後の研究が必要であるとの認識にいたりました。

意見を踏まえた今後の対応として、 (1) カリの供給力に関する土壌の評価に関して簡易に評価する手法を導入して複数の現地での検定を行う。 (2) 品種登録に関しては、Cdの例のように不要元素の排除の一環として利用可能な状態にする必要があるとの認識に立つ。 (3) 移行抑制対策についてはモデルの検証を継続して進めるとともに、福島県、国と密接に連携して、中長期的な対策技術の開発と普及を進めることとしました。

山本農村工学研究部門長、湯川震災復興研究統括監によるまとめのコメントで総合討議は終了し、住田所長の挨拶をもって閉会しました。

写真1
長谷部理事による挨拶
写真2
福島農業総合センター 小巻所長による挨拶
写真3
会場(参加者)の様子
写真4
講演者による発表
写真5
総合討議の様子
写真6
住田所長による挨拶
法人番号 7050005005207