研究活動報告詳細

平成30年度第2回東北農研連携推進ツアー

情報公開日:2018年8月 7日 (火曜日)

平成30年度第2回の連携推進ツアーは東北農研で開発した小麦4品種「ナンブコムギ」、「ゆきちから」、「銀河のちから」、「コユキコムギ」を生産している平泉町の「農事組合法人アグリ平泉」と、その小麦を使ってパンの加工・販売に取り組んでいる「毛越寺門前直売あやめ」を訪問しました。

「アグリ平泉」は主に転作作業を受託して、この地域の100haで麦、大豆、飼料・加工用水稲等のブロックローテーションを行っています。しかし作付面積が最も大きい小麦では、しばしばタンパク質含量が低くなることがあるとのことでした。そこで、たんぱく含量を増やすには出穂期頃の追肥が重要であることや、多収となるとデンプンが増え、相対的にタンパク質含量が減るため、収量に応じて後期追肥の窒素施肥量を増やす必要があることをお話しさせていただきました。また、東北地域で広く利用されている「ゆきちから」に比べて製パン適性の優れている新品種「夏黄金」もご紹介したところ、興味を持っていただけました。水稲に関しては、鉄コーティングによる直播で加工用米と飼料用米を栽培されており、さらに低コスト化を目指しているとのことでした。そこで、東北農研開発の「無コーティング直播栽培」技術 (種子をコーティングせずに湛水状態で播種する) のポイントをご紹介、所有されている機械での実施についても意見交換しました。

「平地の大区画ほ場は誰でもできるが、中山間地の傾斜地小区画ほ場では集約しても営農する人がいない (儲かる農業ができない) 」という地域の問題があり、その対策としてブドウ栽培を手がけるとともに、ワイナリーも開設されたとのことでした。

「あやめ」には、アグリ平泉の経営するパン製造販売「きんいろぱん屋」や売店のほか、漬け物処なども入っています。ここでは軽食も利用できるほか、平泉産の「和からしソフトクリーム」も販売されています。「きんいろぱん屋」では、主に「コユキコムギ」と「ナンブコムギ」を使用したパンを作っています。近年では販売委託を広げているそうで、委託先の要望による商品開発も検討されています。しかし「コユキコムギ」や「ナンブコムギ」の吸水率が低く意図したパンができないとお悩みでした。そこで、これらの品種の特性上しかたがない面があるので、「もち姫」をブレンドすることで製パン性が改善できるかもしれないと、提案させていただきました。さらに、今後も意見交換を行ってきたいので、是非一度東北農業研究センターにお越しくださいとお誘いしました。

このように「アグリ平泉」は、大から小規模、平地から中山間地の農地を有効活用するために多品目を生産するだけでなく、新しい品種や技術を積極的に取り入れた「あやめ」での加工・販売まで手がけています。そのような生産現場における問題解決をお手伝いするために、今後ともぜひ交流を続けていきたいものです。

写真1
毛越寺門線直売「あやめ」
写真2
「あやめ」での意見交換
写真3
クリームパン、きんいろあんパン、弁慶のわらじパン、たくあん醤油漬け (左上から)
写真4
「アグリ平泉」での意見交換

東北農研連携推進ツアー

平成30年度 第1回 第2回
平成28年度 第1回 第2回
法人番号 7050005005207