研究活動報告詳細

令和元年度第2回東北農業研究センター連携推進ツアー

情報公開日:2019年12月16日 (月曜日)

農研機構東北農業研究センターでは、「寒冷地の大規模水田営農システムに導入可能な業務加工用露地野菜生産体系の確立」という課題の中で、東北地域におけるタマネギ栽培技術の開発を行っています。そこで、タマネギ栽培の新たな研究ニーズや情報収集のために、青森県東北町でタマネギの栽培に取り組んでいるアグリネット21代表の長久保さんを、10月18日に訪問しました。アグリネット21は、共同出荷を行っている野菜生産組織で、独自ブランドを作製し、契約先の小売店や市場へ出荷しており、「青森県農業経営研究協会賞(H25)」、「攻めの農林水産業、優良事例(H26)」を受賞しています。訪問先では、ダイコン、ナガイモ、ニンニクを中心に、ゴボウ、キャベツなど多品目の露地野菜を作付けしています。このような経営の中でも、タマネギは、今後の機械化も含めて、非常に有望な品目という位置づけです。当日は、ナガイモの種苗生産とニンニクの植え付け圃場を見学しつつ、タマネギを中心に、様々な野菜について、情報交換をさせていただきました。

この地域では、もともとはタマネギの作付けが少なかったため、最初は、品種選定、栽培方法に関する情報収集から開始し、試行錯誤の結果、秋まき栽培で一定の収量が見込めるようになりました。現在では、288穴セルトレイで育苗し、早生から中晩生の3品種を主に栽培しており、5~6t/10aの多収を達成しています。農研機構には、東北地域に適した品種の育成、面積拡大に必要な機械化を含めた栽培技術の開発などの要望をいただきました。

その他にも、ナガイモの種苗生産圃場では、圃場におけるウィルス検査や選別による種苗品質の維持について説明していただきました。また、ナガイモ、ニンニクおよびタマネギ栽培ともに、マルチの色による生育の違いがみられており、本地域では緑マルチが適していて、その普及が拡大しているとのことでした。他にも、多品目生産を活用した輪作、ダイコン後の緑肥栽培、稲ワラと交換している堆肥の散布を行い、連作障害の回避や土作りにも配慮されています。

近年、水田転換畑が拡大し、一方で生産者が減少している中、省力的な土地利用型の露地野菜生産は注目されています。農研機構東北農業研究センターは、露地野菜に関わる研究成果を「東北・北陸地域におけるタマネギの春まき栽培技術」(2016年2月)、「東北地域太平洋沿岸部における大規模露地野菜の導入マニュアル」(2019年3月)として、ホームページでも公開しており、新たなタマネギ栽培マニュアルの発行も予定しています。これらの取り組みをさらに進め、東北地域での露地野菜生産の普及拡大を進めていきます。

写真1
ナガイモの種取り圃場
写真2
ニンニクの生産圃場 (左が透明、右が緑のマルチ)

東北農研連携推進ツアー

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