研究活動報告詳細

平成26年度農研機構近畿中国四国農業研究センター現地検討会「飛ばないナミテントウ製剤『テントップ』&バンカー植物『スカエボラ』~普及に向けての課題と対策~」を開催しました

情報公開日:2014年12月19日 (金曜日)

開催日時

2014年12月9日(火曜日) 13時30分~12月10日(水曜日) 11時

開催場所

講演会:JA土佐あき芸西支所(高知県芸西村)

現地見学会:施設ピーマン栽培圃場(高知県芸西村)

参加者

51名(現地見学会36名)

開催概要 

農研機構近畿中国四国農業研究センター現地検討会「飛ばないナミテントウ製剤『テントップ』&バンカー植物『スカエボラ』~普及に向けての課題と対策~」を開催しました。9日に講演会、その翌日に現地見学会を開催し、活発な意見交換が行われました。
講演に先立ち、本現地検討会を高知県で開催することとなった理由などを含む趣旨説明を行いました。
講演会では、はじめに、高知県農業振興部環境農業推進課の古味専門技術員から、高知県におけるアブラムシ防除の現状と課題について話題提供がありました。以前は、アブラムシ対策でバンカー法が普及したが、タバココナラジラミの問題によってIPM体系が崩れ、バンカー法の利用が減少したこと、また、現在のアブラムシ防除は選択性殺虫剤に頼りがちなので、抵抗性の発達を回避しつつ、安定的にアブラムシの発生を抑えられる生物防除法が求められていることが報告されました。続いて、(株)アグリセクトの船戸普及指導員から、今年の6月に販売開始となった施設野菜用の飛ばないナミテントウ製剤「テントップ」について話題提供がありました。生産者への委託試験の結果も踏まえ、その効果と利用法について報告されました。当研究センターの世古智一主任研究員からは、飛ばないナミテントウとヒメカメノコテントウの生態を比較することによって飛ばないナミテントウが利用しやすい状況と不向きな状況について紹介するとともに、バンカー植物など天敵の定着や増殖を促進する技術の導入などによって飛ばないナミテントウを温存し、防除コストを削減していく必要があることについて報告がありました。最後に、当研究センターの安部順一朗主任研究員から、天敵類の働きを強化するためには天敵の維持増殖に効果が高いバンカー植物の導入が重要であるとの報告がありました。特に、景観植物のスカエボラは、バンカー植物として有望で、現在5種類の天敵に対して温存効果があることが確認されていること、また、スカエボラの現地での利用において、これまでに判明した課題とその解決策について報告がありました。講演の後は、当研究センターの三浦一芸主任研究員の司会進行のもと総合討論が行われ、生産者や普及関係者の方々から高知県での害虫対策において、飛ばないナミテントウやスカエボラなどの新技術に期待することや解決すべき課題などについて多くのご意見をいただきました。アンケートにおいても、「カイガラムシに有効な天敵がほしい」、「テントップの販売価格を下げてほしい」などの要望がありました。
現地見学会では、スカエボラを導入した芸西村西分の施設圃場(安岡忠秋氏ならびに藤戸崇氏のピーマン栽培圃場)を見学しました。高知県安芸農業振興センターの伊藤主任から、ピーマンの栽培状況や天敵類の利用歴などについて紹介されました。9月上旬に定植したスカエボラは順調に開花数を増やしており、ヒメハナカメムシ類の温存に高い効果があることが確認されました。また11月中旬にヒメカメノコテントウ製剤が放飼された圃場では次世代と思われる成虫の発生が確認されました。同じく11月中旬に飛ばないナミテントウ製剤が放飼された圃場ではアブラムシの発生をうまく抑え、飛ばないナミテントウが羽化した痕跡(蛹の殻)や成虫が確認されました。
2日間にわたって研究者、普及関係者、生産者の間で多くの情報交換をすることができ、有意義な現地検討会となりました。

 

講演会風景総合討論現地見学会

テントップ

法人番号 7050005005207