水稲種子自動コーティング装置

要約

水稲種子にコーティング資材(酸素発生剤)を自動でコーティングする装置である。均一な仕上がりで安定したコーティングができ、作業能率の向上、作業環境の改善や労働負担の軽減をはかることができる。

  • 担当:生研機構・生産システム研究部・土壌管理システム研究
  • 担当:生研機構・生産システム研究部・大規模機械化システム研究
  • 連絡先:048-654-7068
  • 部会名:作業技術
  • 専門:機械
  • 対象:農業機械、水稲
  • 分類:普及

背景・ねらい

現行の水稲種子コーティング作業は、回転する傾斜ドラムの中で種籾を渦状に流し、そこへコーティング資材(酸素発生剤)と水を噴霧して供給する方法で行われるが、手作業のため仕上がりが作業者の熟練度に左右されることや、塵埃の多い環境下で作業しなければならない問題もある。そこで、自動でコーティングを行うことのできる装置を開発する。

成果の内容・特徴

  • 傾斜ドラムの回転、ホッパ下方のスクリュコンベヤによるコーティング資材の間欠的定量繰出し、水の定圧噴霧を、シーケンスコントローラに記憶されたプログラムによって行う自動コーティング装置である( 図1 、 図2 )。
  • 開発した装置の特徴は以下のとおりである。
    1コーティング種子1粒質量のばらつきは、現行装置では作業者の熟練度によって大きく異なるが、開発装置では安定して小さく、高精度な作業ができる( 図3 )。
    2一人作業時の乾籾10kg当たり作業時間(浸漬種籾の脱水、コーティング種子の陰干し、袋詰め等の付帯作業を含む)は、2倍重(乾籾と酸素発生剤の質量 比、1:2)で15分、1倍重(1:1)で11分で、付帯作業をコーティング作業と並行して行えること、乾籾投入量が現行装置より多いことから、現行装置 の約半分となる(表)。
    3ドラム側面に設けたシャッタ式排出口が排出しやすい位置で自動停止するので、コーティングの終了した種子を速やかにかつ楽に排出できる。
    4装置をカバーで被ったため、装置周辺への塵埃の飛散が少ない( 図1 )。
    5運転モードを切替えることにより、1回のコーティング量を、2倍重で乾籾15kg又は10kg、1倍重で乾籾20kg又は15kgの4通りに変えることができる。

成果の活用面・留意点

  • 高性能農業機械実用化事業に移行し、市販化が予定されている。
  • 投入する乾籾の質量を正確に計量する必要がある。
  • 浸種日数などによって所要噴霧水量がやや異なるので、1回目の作業時にコーティング状態を見ながら噴霧圧力を調整する。

具体的データ

図1:自動コーティング装置の外観
図1:自動コーティング装置の外観

 

図2:自動コーティング装置の側面図
図2:自動コーティング装置の側面図

 

図3:コーティング種子1粒質量の頻度分布(2倍重)
図3:コーティング種子1粒質量の頻度分布(2倍重)

 

表1:作業能率測定結果(2倍重)
表1:作業能率測定結果(2倍重)

 

その他

  • 研究課題名:高精度水稲種子コーティング装置の開発
  • 予算区分 :経常・緊プロ(共同)
  • 研究期間 :平成10年度(平成8~9年)