カーネーションの花色の濃淡および花型に関わる遺伝子座のマッピング

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要約

カーネーションの花色の濃淡に関わるQTLは、作成した連鎖地図上で第6、第9連鎖群に位置付けられる。一重、八重の花型に関する遺伝子座は第16連鎖群に位置付けられる。

  • キーワード:カーネーション、連鎖地図、DNAマーカー、QTL、花色、花型、マッピング
  • 担当:花き研・新形質花き開発研究チーム
  • 連絡先:電話029-838-6814、電子メールmyagi@affrc.go.jp
  • 区分:花き
  • 分類:研究・参考

背景・ねらい

これまでに137個のRAPDおよび9個のSSRマーカーからなる全長605.0cMのカーネーションの連鎖地図を作成し、萎凋細菌病抵抗性に関わる遺伝子座を明らかにした。この連鎖地図を用いて、カーネーションの重要形質である花色および花型に関わる遺伝子座を明らかにする。

成果の内容・特徴

  • 花弁の花色の濃淡(アントシアニン含量の多寡)に関わる2つのQTLが第6連鎖群(LOD値6.33、寄与率21.6%)と第9連鎖群(LOD値4.15、寄与率15.0%)に検出される(図1)。第6連鎖群のQTLについては、萎凋細菌病の主働抵抗性遺伝子座と同じ連鎖群に存在する(図1)。
  • 一重、八重の花型に関わる遺伝子座は第16連鎖群に位置付けられる(図1)。
  • 3つのRAPDマーカー(AT90、DT52、OM19)は花型とマーカーの有無が完全に一致する。AT90については、STS化に成功した(図3)。但し、花型に連鎖したSTSマーカーは市販の一重咲き品種では多型が認められない(図3)。

成果の活用面・留意点

  • 本情報は、現在のところ、使用した分離集団でのみ利用可能であり、今後、実用品種でも検出できるSSRマーカー等により連鎖地図の充実を図る必要がある。

具体的データ

図1 カーネーションにおける形質の遺伝子座

図2 分離集団における花型と花色の分離

図3 花型に連鎖したマーカーSTS-AT90を用いたPCR

その他

  • 研究課題名:花きの花色改変等新形質付与技術の開発
  • 課題ID:221-k
  • 予算区分:基盤研究費
  • 研究期間:1998~2006年度
  • 研究担当者:八木雅史、小野崎 隆、吉成 強(栃木農試)、吉村正久(宮城大崎振興事務所)、能岡智、
                      種谷光泰(千葉安房振興センター)、中山真義、柴田道夫
  • 発表論文等:小野崎ら(2006)園芸学研究5:363-367.
                      Yagi et al. (2008) Acta Hort. 766:455-460