スモモ新品種「ハニーローザ」の育成

要約

スモモ新品種「ハニーローザ」は,ホワイトプラムの自然交雑実生から選抜された早生 のニホンスモモである。果実重は45g程度と小さいが,甘味が同時期の「大石早生李」に 比べて高く,酸味が少ない良食味品種であり,中国,四国,九州などの産地で普及が期待 される。

背景・ねらい

スモモの栽培品種は「大石早生李」,「ソルダム」,「サンタローザ」など少数に限ら れており,栽培の拡大のためには栽培性及び品質の優れた新品種の育成が求められていた。 早生種では「大石早生李」に栽培が集中しているが,品質に問題があることから,さらに 高品質の品種を育成することを目標とした。

成果の内容・特徴

  • 園芸試験場において昭和47年(1972)に,「ホワイトプラム」の自然交雑種子を採種し,翌年は種して得られた実生を昭和49年(1974)秋に果樹試験場千代田圃場に定植し,選抜を行った。昭和52年(1977)に初結実し,昭和58年(1983)よりスモモ第1回系統適 応性検定試験にスモモ筑波1号の系統名で供試され,平成6年8月11日付けで「すもも農林1号」として登録・公表された。
  • 果実の大きさは40~50g程度,果形は円形で果頂部がやや狭い。果皮は淡紅色となり, 果肉は淡黄色となる(表1)。
  • 糖度は平均で14%前後で同時期の「大石早生李」よりも2~3%高い。酸味はpHで 3.8前後となり「大石早生李」よりも少なく,食味は早生品種としては極めて良好である(表2)。果肉は軟らかく,肉質はなめらかで果汁は多い(表1)。
  • 満開から約95日後に収穫される早生種で,「大石早生李」より数日遅い(表2)。
  • 樹勢はやや強く,樹姿は中ないしやや開張する。枝の発生は多く,短果枝および花芽の着生も良好である(表3)。自家結実性がなく,開花期が早いため年により結実の劣ることがあるが適当な授粉樹の混植により結実は良好となる。黒斑病にはり病性である。

成果の活用面・留意点

早生スモモの品質向上に有効である。自家結実性がないので授粉樹の混植が必要である。 「ソルダム」,「大石早生李」,「メスレー」とは交雑和合性である(表4)が,暖地では開花期の早い品種を授粉樹に用いる必要がある。結果過多では,小果や隔年結果を招くので適切な結実管理を行う。

具体的データ

表1 「ハニーローザ」の果実の特性

表2 「ハニーローザ」の開花期、収穫期、果実重、糖度及び果実ph

表3 「ハニーローザ」の樹性

表4 「ハニーローザ」と主要品種の交雑和合性

その他

  • 研究課題名:スモモ第1回系統適応性検定試験
  • 予算区分:昭和47~平成6年・経常研究
  • 研究担当者:山口正己,西村幸一,京谷英壽,吉田雅夫,中村ゆり,土師 岳,三宅正則,小園照雄,福田博之,木原武士,西田光夫
  • 発表論文等:スモモ新品種「ハニーローザ」について,園学雑,64(別1),1995。