カンキツ新品種「ミホコール」の育成

要約

カンキツ新品種「ミホコール」は,ウンシュウミカン「三保早生」に「アンコール」を交雑したミカンである。浮皮が無く,芳香を有する食味良好な無核品種である。適熟期は12月中下旬で,年末・年始にかけ販売できる高品質品種として普及することが期待できる。

背景・ねらい

ウンシュウミカンは,無核性,剥皮性,豊産性,耐病性,早熟性等の優良形質を備えている。しかし,オレンジやマンダリンの「アンコール」等にある芳香はなく,高糖でもない。また西南暖地の一部の地域では浮皮の発生があり,貯蔵上の問題となっている。一方,晩生品種である「アンコール」は高糖で芳香があるが,小果で種子が多い。しかし,浮皮の発生はまったく認められない。
この両者の組み合わせから,豊産性で浮皮が少なく,芳香のある高品質なミカンタイプのカンキツの育成を試みた。

成果の内容・特徴

  • 昭和49年(1974),果樹試験場口之津支場において,「三保早生」に「アンコール」 を交雑して育成された品種で,系統名は口之津15号である。
  • 第6回系統適応性・特性検定試験の追加系統として検討され,平成6年(1994)8月11日に「ミホコール」と命名され「みかん農林10号」として登録・公表された。
  • 果実は150~200g 程度で玉揃いは良。果形は扁円形。浮皮の発生が無く,しまりが良い。果皮は薄く,剥皮できる。濃橙色で「三保早生」より赤味がある。果面は平滑である。「アンコール」に似た芳香がある。適熟期は12月中下旬で,食味は良好。単為結果性が強く,通常は無核性である(表1,表2)。
  • 樹勢はやや弱く,樹姿は開張性。極めて豊産性で,連年結果性がある。かいよう病,そうか病に対しウンシュウミカンより抵抗性が強い。カンキツトリステザウイルスによるステムピッティング発生は軽度である。

成果の活用面・留意点

  • 年末,年始に出荷,販売できる浮皮発生の無いミカン品種として評価できる。
  • 樹勢がやや弱いので,樹勢維持のための栽培管理を徹底することが肝要である。なお,結実過多になりやすいので摘果を徹底する。
  • 裂果,後期落果,す上がりを防ぐため適切な土壌管理と採収適期の把握が重要である。
  • 有核果にしないため花粉稔性の高い他品種との混植は避けた方が良い。

具体的データ

表1 ミカン「ミホコール」の果実特性

図2 ミカン「ミホコール」及び対照品種の果実特性の経時的変化

その他

  • 研究課題名:中晩生カンキツの新品種育成.
  • 予算区分:昭和49~平成5年・経常研究
  • 研究担当者:奥代直巳,石内傳治,生山 巌,高原利雄,松本亮司,村田広野,浅田謙介
                      山本雅史,池宮秀和,山田彬雄,家城洋之,内原 茂,吉永勝一