カンキツグリーニング病病原体の遺伝子診断法による確認

要約

カンキツグリーニング病様症状を呈するカンキツ樹から穂木を採取し、検定植物であるオーランドタンゼロに接種して生物検定を行った。さらに簡易で精度の高い遺伝子診断法のPolymerase chain reaction(PCR)法の開発を行い、本法でも検定を行って本病の発生を確認した。生物検定法とPCR法による検定結果は一致していた。

  • 担当:果樹試験場・カンキツ部・形質発現研究室
  • 連絡先:成果情報のお問い合わせ
  • 部会名:果樹
  • 専門:作物病害
  • 対象:果樹類
  • 分類:研究

背景・ねらい

カンキツグリーニング病は海外で深刻な被害をもたらしている重要病害である。本病原体の簡易で精度の高い遺伝子診断法を確立し、本邦での発生確認に利用して防除対策の確立に役立てる。

成果の内容・特徴

  • 検定植物のオーランドタンゼロに接種し、約30°Cの人工気象器に保って病徴発現を観察した結果、採取した7地点で本病の発生が確認された。
  • カンキツ葉からDNA抽出後、16SリボゾームRNA遺伝子のグリーニング病病原体特異的プライマー(Forward GCGCGTATGCAATACGAGCGGCA, Reverse GCCTCGCGACTTCGCAACCCAT)を用いたPCR反応(92°C、60秒、47°C、30秒、72°C、90秒)により、約1200bpの特異的な増幅が認められた(図)。
  • 生物検定法とPCR法による検定結果は一致した。
  • 圃場より採取したサンプル(葉)から、PCR法により簡易に高精度で検定が可能であった。

成果の活用面・留意点

圃場での発生状況調査に用いる。今回採取したサンプルではすべて本プライマーで反応したが、海外では病原体の変異株の存在が知られているので、生物検定を一部併用することが好ましい。

具体的データ

図 PCR法によるグリーニング病病原体の検出

その他

  • 研究課題名:カンキツグリーニング病簡易検定法に関する緊急調査
  • 予算区分 :緊急調査、経常
  • 研究期間 :平成8年度(平成6年~7年)
  • 発表論文等:カンキツグリーニング病簡易検定法に関する緊急調査実施報告書、
                      農林水産省果樹試験場、1994。
                      カンキツグリーニング病の発生確認と簡易検定法の確立、日本植物病理学会報、
                      1997(投稿予定)。