リンゴの親水性抗酸化能とプロシアニジン含量の品種間差異

要約

リンゴの親水性抗酸化能(H-: Hydrophilic, H-ORAC値)と機能性成分のプロシアニジンを測定する。加工用品種は、H−ORAC値で約4.3倍、プロシアニジン量で約3倍生食用品種よりも高く、H−ORAC値とプロシアニジン含量とは高い相関(r=0.83)を示す。

  • キーワード:リンゴ、親水性抗酸化能(H-ORAC)、プロシアニジン
  • 担当:食品機能性・機能性評価標準化技術
  • 代表連絡先:電話029-838-6453
  • 研究所名:果樹研究所・栽培・流通利用研究領域
  • 分類:研究成果情報

背景・ねらい

食品の生体調節機能に対する関心の高まりとともに、食品関連企業、試験機関、生産者からは国産農産物に含まれる機能性成分に関する信頼性の高い情報が求められている。農研機構では、標準化された信頼性の高い分析方法による「地域・国産農産物・食品」の機能性成分含量等の分析を通じたデータベース構築を目指している。そこで、国産の主要果実であるリンゴのH-ORAC値や機能性成分であるプロシアニジン類を測定する。

成果の内容・特徴

  • 2011~2013年に採取したリンゴの生食用14品種、加工用7品種、および野生種(クラブアップル)9品種について、蛍光検出による順相HPLC法(図1のA)を使いプロシアニジン類を単量体から7量体の総量として特異的に定量すると、生食用品種に比べて、加工用品種は平均値で比較し約3倍(101.1 mg/ 100 g Flesh Weight(FW))、野生種は約6倍(198.3 mg/ 100 g FW)高い(図1のB)。
  • 上記試料について、信頼性を検証した農研機構標準法を用いてH−ORAC値を測定すると、生食用品種に比べて、加工用品種は平均値で比較し約4.3倍(7167.5 μmol Trolox Equivalent (TE)/ 100 g FW)、野生種は約5.9倍(9775.0 μmol TE/ 100 g FW)高い(図2)。
  • リンゴのH−ORAC値と主要なポリフェノールであるプロシアニジン類含量は高い相関(r=0.83、p<0.01)を示す(図3)。

成果の活用面・留意点

  • 対象:食品製造業、外食産業、流通業等の実需者、育種・生産者および食品の機能性または開発に関わる研究者。
  • 次年度以降、Webのデータベースで公開予定されるため、世界中からアクセス、利用が可能である。

具体的データ

図1

その他

  • 中課題名:健康機能性に関する成分分析法及び評価法の開発と標準化
  • 中課題整理番号:310a0
  • 予算区分:交付金
  • 研究期間:2011~2015年度
  • 研究担当者:庄司俊彦、升本早枝子、尾崎嘉彦(近畿大)
  • 発表論文等:Shoji T. et al. (2016) Food Sci. Tech. Res. 受理
法人番号 7050005005207