アルファルファ給与による乾乳牛からのメタン発生量低減

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要約

維持のエネルギー要求量給与時における乾乳牛からのメタン発生量は可消化NDFや可消化有機物の増加とともに増加するため、NDF含量の低いアルファルファ給与により乾乳牛からのメタン発生量を低減することが可能である。

  • キーワード:アルファルファ、メタン、乾乳牛
  • 担当:北農研・畜産草地部・飼料評価研究室
  • 連絡先:011-857-9236
  • 区分:北海道農業・畜産草地
  • 分類:行政・参考

背景・ねらい

近年、二酸化炭素、メタン等の温室効果ガスによる気候の温暖化が社会問題化している。地球温暖化防止のためには牛からのメタン発生量の低減が求められているものの、粗飼料利用時における牛からのメタン発生量についてはまだ不明な点が多い。そこで、維持のエネルギー要求量を満たすようにイネ科牧草とアルファルファを給与した時の乾乳牛からのメタン発生量を把握するとともに、アルファルファ給与による乾乳牛からのメタン発生量低減法を明らかにする。

成果の内容・特徴

  • オーチャードグラスサイレージだけを給与した乾乳牛と比較すると、オーチャードグラスサイレージとアルファルファサイレージを1:1の比率で給与した乾乳牛のメタン発生量は約7%減少し、特に給与4時間後以降の減少が著しい(図1)。
  • 乾乳牛からのメタン発生量は可消化有機物や可消化NDFの増加とともに増加し、NDF含量の低いアルファルファ給与により乾乳牛からのメタン発生量は低減する(図2)。
  • イネ科牧草とアルファルファの乾物当たりの代謝エネルギー含量は、それぞれ9.70MJ(8.01-10.99)と9.35MJ(8.23-11.05)であり、飼料中の代謝エネルギー含量と乾乳牛からのメタン発生量間には明確な関係は認められない。

成果の活用面・留意点

  • 牛からのメタン発生量低減法の基礎データとして活用できる。

具体的データ

図1,グラス給与(◇)牛とグラス+アルファルファ(1:1の比率)給与

 

図2,イネ科牧草(◇)、アルファルファ(■)給与牛の可消化有機物、可消化 NDFとメタン発生量の関係

その他

  • 研究課題名:     高品質粗飼料利用による雌牛からのメタン発生抑制
  • 予算区分:     行政対応研究(メタン産生抑制)
  • 研究期間:     1999~2001年度
  • 研究担当者:     久米新一、野中和久、大下友子
  • 発表論文等:     Kume(2001)Proc. Greenhouse Gases and Animal Agriculture. :53-61