北海道の黒ボク土壌畑作地帯における亜酸化窒素の年間発生量

要約

北海道の黒ボク土壌畑作地帯における亜酸化窒素の年間発生量は、窒素施用量と 高い相関があり、窒素施用量の0.36 %に相当する窒素が亜酸化窒素として発生する。

  • キーワード:温室効果ガス、亜酸化窒素、畑作、窒素施肥、黒ボク土壌
  • 担当:北海道農研・畑作研究部・生産技術研究チーム
  • 連絡先:電話0155-62-9274、電子メールnkoga@affrc.go.jp
  • 区分:北海道農業・生産環境、共通基盤・土壌肥料
  • 分類:科学・参考

背景・ねらい

亜酸化窒素(N2O)は、農地土壌面から発生する温室効果ガスの一つであり、二酸化炭素の約310倍の温暖化ポテンシャルを有することか ら、その排出削減が求められている。N2O発生の主な原因は窒素施肥であるが、十勝地域の畑作農業おいても、化学肥料が利用されており、N2Oの発生が予 測される。この地域の主要な土壌である黒ボク土壌を用いて、N2Oのフラックスを年間測定し、窒素施用量とN2O発生量との関係を調査する。

成果の内容・特徴

  • 慣行の栽培体系におけるN2Oフラックスの発生パターンは、作物の種類によって異なる(図1)。秋まき小麦では凍結土壌や積雪の融解期に、キャベツでは収穫残渣のすき込み直後にN2Oの大きなフラックスがみとめられる。
  • 窒素施用量とN2Oの年間発生量には、正の相関がみとめられる(図2)。また、その回帰直線の傾きから得られる窒素施用量に対するN2Oの年間発生量の割合の平均値は、0.36 %である。

成果の活用面・留意点

  • 北海道の畑作地帯から発生するN2O年間発生量推定のための基礎資料となる。
  • 土壌凍結および積雪が起こる十勝地方の淡色黒ボク土壌で測定されたデータである。

具体的データ

図1 亜酸化窒素フラックスの経時変化

 

図2 十勝地域の畑作生産における窒素施用量と亜酸化窒素の年間発生量との関係

 

その他

  • 研究課題名:大規模畑作地帯における環境評価手法による輪作体系の比較
  • 課題ID:04-04-01-01-07-02
  • 予算区分:交付金プロ(LCA)
  • 研究期間:2000~2002年度
  • 研究担当者:古賀伸久、鶴田治雄(農環研)、八木一行(農環研)、中野寛