高度病害抵抗性テンサイ系統「NK-310mm-O」に由来する連鎖地図

要約

構築したテンサイの連鎖地図はAFLP等177マーカーからなり、総遺伝距離695.6cM、座位間の平均距離は5.0cMである。連鎖群は染色体基本数と一致し、公開されているSTS由来CAPSマーカーに基づき同定しており、既報と情報を相互に利用できる。

  • キーワード:テンサイ、連鎖地図、AFLP、RAPD、STS、CAPS
  • 担当:北海道農研・畑作研究部・てん菜育種研究室
  • 連絡先:電話0155-62-9271、電子メールktaguchi@naro.affrc.go.jp
  • 区分:北海道農業・作物、作物・夏畑作物
  • 分類:科学・参考

背景・ねらい

連鎖地図は、DNAマーカー開発の足がかりとなるため、育種を効率化するための基盤として重要である。海外では、RFLPやSSR によるテンサイの連鎖地図が発表されているが、その利用については共同研究を前提とするなどの制限があり、マーカーの配列情報などは基本的に公開されてい ない。また、連鎖地図を利用したQTL解析ならびにマーカー開発は、マッピング集団の親系統に強く依存するため、国内の優良系統の連鎖地図を利用する必要 がある。
このため、黒根病、褐斑病、根腐病に対し高度病害抵抗性を示すテンサイ系統「NK-310mm-O」の優れた形質を支配する遺伝子座を検出するため、これら3病害に罹病性を示す系統「NK-184 mm-O」との雑種後代においてAFLPなどを用いて連鎖地図を構築する。

成果の内容・特徴

  • 連鎖地図は、「NK-310mm-O」と「NK-184mm-O」の交配F2集団192個体をマッピング集団とし、「NK-310mm-O」に相引する161AFLP、2RAPDおよび14CAPSの計177マーカーからなる(図1)。
  • 連鎖解析及び各連鎖群へのマーカーの割り付けは、連鎖地図作成ソフトMapmaker/EXP(Ver.3.0b)を用い、各連鎖群はmin LOD =3.0、max distance= 30cMの設定条件でテンサイの半数染色体数と同じ9つに分類できる。
  • CAPSマーカーは、海外既報で連鎖群が同定されたSTSマーカー(Mohringら,2004)を制限酵素切断したものであり、 各連鎖群に最少1個以上となる計14マーカーからなる(図1)。
  • 遺伝距離の総和は695.6cMであり、同定座位数は140座位、同定した座位間の平均距離は5.0cMである。

成果の活用面・留意点

  • マッピング集団に用いた親系統「NK-310mm-O」は、黒根病、褐斑病、根腐病に対し高度抵抗性を示すため、今後QTL解析やDNAマーカー開発に利用する。
  • 既報と共通の連鎖群により、海外等で開発、同定されたゲノム情報を活用できる。

具体的データ

  図1 「NK-310mm-O」と「NK-184mmO」のF2集団より構築された連鎖地図

 

その他

  • 研究課題名:黒根病抵抗性と連鎖する分子マーカーの開発ならびに実用化
  • 課題ID:04-03-02-*-29-05
  • 予算区分: 高度化事業
  • 研究期間: 2002∼2005年度
  • 研究担当者: 田口和憲、岡崎和之、高橋宙之、中司啓二