人工気象器を用いたテンサイ低温出芽性の簡易検定法

要約

人工気象器を用いて、5℃暗期、15℃明期の12時間交互条件で出芽を検定することにより、低温出芽性が優れるテンサイ品種・系統を20日で検定できる。

  • キーワード:テンサイ、人工気象器、低温出芽性、直播
  • 担当:北海道農研・畑作研究部・てん菜育種研究室
  • 連絡先:電話0155-62-9271、電子メールchutaka@affrc.go.jp
  • 区分:北海道農業・作物、作物・夏畑作物
  • 分類:科学・参考

背景・ねらい

国産砂糖は、輸入糖との競合から生産コストの削減が必須であり、テンサイ糖業では、コスト削減の技術として直播栽培の拡大が検討さ れている。しかし、直播栽培は、移植栽培に比べて栽培期間が約40日短く、収量が約15%少ない。従って、収量を確保するには早期の播種が重要であり、低 温出芽性が優れる品種を育成する必要がある。また、北海道における優良品種認定試験は、全て移植栽培で実施しており、現状では、直播栽培の特性評価法が全 くない。そこで、室内で効率的に実施可能な、テンサイの低温出芽性の簡易検定法を開発する。

成果の内容・特徴

  • 人工気象器の環境設定は、芽室における4月下旬の気象条件を想定し、5℃暗期と15℃明期の12時間毎の交互運転と する。容積23リットル(W53cmxL34cmxH12.5cm)の育苗バットに粒状園芸培土を12リットル入れ、播種後、加熱加圧滅菌(121℃、3 時間)した床土で厚さ2cmに覆土する(表1、図1)。
  • 簡易検定法の出芽期は、圃場における出芽期と有意な相関関係が認められる(図2)。また、簡易検定法によって低温出芽性が優れる系統の選抜が可能である(表2)。
  • 簡易検定法を利用して、低温出芽期が安定して早い「北海87号」を選抜した(図2、表2)。
  • 検定に要する期間は約20日と短期間であり、周年検定が可能である(図2)。

成果の活用面・留意点

  • 簡易検定法は、周年検定が可能であり、低温出芽性が優れる品種の育成が促進される。
  • 本検定法を用いて、直播栽培で重要な低温出芽性を検定でき、低温出芽性が安定して早い「北海87号」は、検定の基準系統として利用できる。
  • 播種深度が不均一であると出芽期に影響を及ぼすので、播種床及び覆土表面が均一になるように注意する。

具体的データ

表1 低温出芽性簡易検定法の検定条件及び検定方法

 

図1 低温出芽性簡易検定の実状況 乾燥防止用ビニールは取り除いて撮影

 

表2 簡易検定法と圃場での出芽期の比較(2005)

 

図2 簡易検定法と圃場における出芽期の関係(2004,2005)

 

その他

  • 研究課題名: てんさい直播適性・耐病性品種の開発
  • 課題ID: 04-03-02-*-33-05
  • 予算区分: ブラニチ4系
  • 研究期間: 2003∼2005年度
  • 研究担当者: 高橋宙之、田口和憲、岡崎和之、中司啓二