「どんとこい」は多肥条件でも食味の低下が少ない

要約

「どんとこい」は、「コシヒカリ」と比較して、登熟能力にすぐれ、同じ窒素吸収量で高い玄米生産性を示し、多肥条件で、玄米窒素含量の増加が少なく、食味の低下も少ない。

  • 担当:北陸農業試験場・地域基盤研究部・稲育種研究室・米品質評価研究室,
  • 担当:水田利用部 ・栽培生理研究室・土壌管理研究室
  • 連絡先:0255-23-4131
  • 部会名:作物生産
  • 専門:生理・育種
  • 対象:稲類
  • 分類:研究

背景・ねらい

「どんとこい」は平成8年に新品種として農林登録された品種であるが、耐倒伏性に優れた良食味品種である 。「どんとこい」は極多肥栽培 でも倒伏が少なく、良食味かつ安定多収の可能性がある。したがって、「どんとこい」と「コシヒカリ」につ いて少肥~極多肥の栽培を行い、その生態的特性、 食味について調査し、「どんとこい」の施肥反応特性を明らかにする。

成果の内容・特徴

  • 「どんとこい」は「コシヒカリ」に比較して、過剰な籾数(35000粒/m2以上)の場合でも、高い登熟歩合 を示す (図1) 。
  • 同じ窒素吸収量の場合、「どんとこい」は「コシヒカリ」より高い収量を示し、また窒素吸収量当た りの玄米生産効率が高い (図2) 。
  • 窒素吸収量の増加にともない玄米中の窒素含量の増加が認められるが、「どんとこい」は「コシヒ カリ」に比較して玄米窒素含量の増加程度が小さい (表1) 。
  • 「どんとこい」は施肥量の増加に伴う食味の低下が少ない (図3) 。
  • 「どんとこい」は、平成8年には多肥栽培でも倒伏せず、倒伏の目立った平成9年に、下位節間が伸 張し、中程度の倒伏が認められたのみで、耐倒伏性に優れる (表1) 。

成果の活用面・留意点

  • 良食味かつ安定多収を達成するための基礎的資料となる。
  • 緩効性肥料による全量基肥施肥は、一般肥料の分肥体系とは窒素肥効が異なるため、一般肥料を用 いる場合には窒素肥効を考慮する必要がある。

具体的データ

図1 どんとこいとコシヒカリの登熟歩合

図2 どんとこいとコシヒカリの収量

表1 どんとこいとコシヒカリの施肥反応

図3 どんとこいとコシヒカリの食味

その他

  • 研究課題名:どんとこいとコシヒカリの食味の窒素反応比較
  • 予算区分 :経常、研究強化
  • 研究期間 :平成9年度(平成8年~9年)
  • 発表論文等:なし