直播栽培向きの水稲新品種候補系統「関東188号」

要約

水稲「関東188号」は、「ヒノヒカリ」と「稲系517(アケノホシ/月の光)」の交配から育成せれた、直播栽培向きの田収系統である。出穂期は「朝の光」並の中生に属し、やや短稈・穂重型の草型で、密播条件となる直播栽培に適する。いもち病抵抗性が強い。

  • 担当:農業研究センター・作物開発部・稲育種研究室
  • 連絡先:0298-38-8950
  • 部会名:水田,畑作物
  • 専門:育種
  • 対象:稲類
  • 分類:普及

背景・ねらい

米の自由化に備えて稲作に国際競争力を付与し、稲作の担い手の急激な減少に対応するため、直播栽培など低コスト・省力栽培の普及が緊急の課題である。しかしながら、直播栽培は、その生産の不安定性から栽培面積が停滞しているのが実状である。その不安定要因の一つは、移植栽培並の収量性を持つ直播栽培向き品種が少ないことであり、直播栽培に適する安定・多収品種を早急に育成する必要がある。

成果の内容・特徴

  • 水稲「関東188号」は、「ヒノヒカリ」と稲系517(アケノホシ/月の光)」の交配から育成された粳種である。出穂期は「朝の光」並の中生に属する。
  • やや短稈で稲重型の草型を持ち、粒着密度が高く一穂粒数が多いため、移植栽培、直播栽培とも多収である。
  • 食味は「朝の光」「日本晴」に優る上の下であり、移植栽培では強稈で耐倒伏性が強く、いもち病に強いため、低コスト化が

    図れる。

  • 直播栽培での収量は、移植栽培における標準品種並である。これは本系統が稲重型で、密播で穂数が多くなる条件でも比較的穂が大きく、多収となるためである。

成果の活用面・留意点

  • 直播栽培の普及には、直播適正品種の育成が必要である。本系統は、直播栽培において標準品種の移植栽培並の収量性を有するので、直播栽培普及のための先導的品種として期待できる。
  • 縞葉枯病に羅病性であるため、発病地帯での栽培は避ける。
  • 耐転び型倒伏性は「朝の光」「キヌヒカリ」並であるため、表面散播栽培では落水等の水管理に留意する。

具体的データ

表1 :関東188号の特性一覧

 

その他

  • 研究課題名:温暖地東部向き複合病害虫抵抗性、直播など機械化適応性品種の育成
  • 予算区分:次世代稲作・新形質米
  • 研究期間:平成11年度(平成元年~11年)