簡易な搾乳牛飼料給与診断・設計システム

要約

表計算ソフト上で動作する搾乳牛の飼料給与診断と飼料設計システムである。飼料給与診断は搾乳牛飼養に必要な各種養分量に対して給与量の過不足を表示し、飼料設計は費用最小のもとで必要養分量を充足する最適飼料給与を提示する。

  • 担当:農業研究センター・経営管理部・畜産経営研究室(中央農業総合研究センター・経営計画部・畜産経営研究室)
  • 連絡先: 0298-38-8875
  • 部会名: 経営
  • 専門: 経営
  • 対象: 乳用牛
  • 分類: 普及

背景・ねらい

酪農経営の収益性改善には適切な飼料給与がポイントの1つとなる。そこで、酪農経営における適切な飼料給与の実現を支援することを目的に、簡易に搾乳牛の飼料給与(1頭・1日当たり)の診断と飼料設計を行うことのできるシステムを開発した。

成果の内容・特徴

  • システムは表計算ソフト上で動作し、搾乳牛の飼養条件に対応して必要な各種養分量を提示する「必要養分量」シート、各種必要養分量に対して給与量の過不足 を表示する「飼料給与診断」シート、線形計画法により費用最小のもとで最適な飼料給与を計算する「飼料設計」シート、及び各種飼料の養分含有量データを提 供する「飼料養分データベース」シートで構成されている。
  • 最初に、「必要養分量」シートを開き、診断或いは設計の対象となる搾乳牛群の平均の体重、産次数、1日当たり乳量、乳脂率や飼料給与方法等を入力する。入 力が終了すると、飼養条件に対応した搾乳牛1頭・1日当たりの乾物、可消化養分総量、粗蛋白質、可消化粗蛋白質、カルシウム、リンの必要量と望ましい NDF給与下限量、望ましい脂肪給与上限量が提示される(図1)。
  • 飼料診断を行う場合は、「飼料給与診断」シートを開き、診断対象の飼料給与について、給与飼料毎に、飼料名、1頭・1日当たりの原物給与量及び各種養分の 含有量を入力する。給与飼料の各種養分含有量が不明な場合は「飼料養分データベース」から捜し出す。入力が終了すると、各養分の給与量と「必要養分量」 シートで提示された必要量に対する過不足割合、NDF含有割合、Ca/P比等が表示されるので、各種養分の過不足割合やセルに挿入したコメントに基づいて 利用者自らが、飼料給与が適切であるかを診断する(図2)。
  • 飼料設計を行う場合は、「飼料設計」シートを開き、調達可能な飼料の飼料名と飼料価格(自給飼料は生産費)、各種養分の含有量を入力する(図3)。 入力後、「飼料計算」ボタンをクリックすると、飼料費最小のもとで「必要養分量」シートで提示された各種養分の必要量と適切な飼料給与バランスを満足する 飼料設計結果が「飼料設計結果」シートに表示される。表示内容は、給与すべき飼料の飼料名と原物給与量及び各種養分の給与量と必要量に対する充足割合、飼 料代等である。なお、調達可能な飼料は20種類まで入力でき、また特定飼料について給与制限を設定することも可能である。

成果の活用面・留意点

  • 飼料設計には農研センター・大石氏開発の線形計画法プログラム・XLPが必要となる。XLP及び本システムは農業研究センターのホームページ(http://narc.naro.affrc.go.jp/oldss/koioi/shindan.html)からダウンロードすることにより入手できる。
  • システム利用にはWindows95以上が作動するコンピュータと表計算ソフト・エクセル(Excel97以上)が必要である。
  • 本システムは舎飼牛を対象としたものである。
  • 搾乳牛飼養に必要な各種養分量は日本飼養標準-乳牛-(1999年版)による。

具体的データ

図1:必要養分量シート(データ入力例・網掛けセルに入力)
図1:必要養分量シート(データ入力例・網掛けセルに入力)

 

図2:飼料給与診断シート(データ入力例・網掛けセルに入力)
図2:飼料給与診断シート(データ入力例・網掛けセルに入力)

 

図3:飼料設計シート(データ入力例・網掛けセルに入力)
図3:飼料設計シート(データ入力例・網掛けセルに入力)

 

その他

  • 研究課題名:経営診断・経営分析手法の策定と利用手順の解明
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成12年度(平成10~12年)