食肉および食肉製品を対象とした簡易な肉種鑑別法

要約

複数のプライマーを使用するマルチプレックスPCRを利用した肉種鑑別法を開発した。この方法はPCR産物を電気泳動し、バンドのサイズを見るだけでウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ニワトリの主要食肉6種を同時に鑑別することができる。

  • 担当:畜産試験場・加工部・食肉特性研究室
  • 代表連絡先:0298-38-8686
  • 部会名:畜産、食品
  • 専門:加工利用
  • 対象:家畜類
  • 分類:普及

背景

食肉および食肉加工製品に使用されている原材料肉の種類を同定することは、食品の公正な表示を維持する上で必要不可欠である。近年の技術的な進歩により、DNA解析を行い、動物種を特定することはそれほど困難でなくなってきている。しかし、通常の解析に用いられている手法では動物種の特定までに多大の作業を必要とする。本研究は、通常の分析業務に用いることのできる、簡易で迅速な肉種鑑別法を開発するものである。

成果の内容・特徴

  • シトクロムb遺伝子の塩基配列を比較し、共通プライマー1種、動物種特異的プライマー6種を設計した。分析にはこれら7種のプライマーを同時に含むPCR溶液を作成し、分析対象となる食肉のDNAをテンプレートとして、マルチプレックスPCRを行う。
  • マルチプレックスPCRの反応産物を電気泳動すると、動物種に応じた長さのフラグメントが分離される。
  • このフラグメントの長さから、テンプレートとなった動物種を同定することができる。
  • 反応溶液を事前に調製しておけば、試料に反応溶液を加え、PCRと電気泳動をするだけで動物種を鑑別することができる。この方法により、ルーチンの分析の簡易化と迅速な判定が可能となる。(図1、図2)

成果の活用面・留意点

ルーチン分析の手法とするには、原料肉の混合割合、経時変化、添加物の影響等を検討する必要がある。この部分に関しては共同研究を行っている(社)日本食肉加工協会で検討している。

具体的データ

図1
図2 マルチプレックスPCRによる肉腫鑑別

その他

  • 研究課題名:家畜ミトコンドリア偽遺伝子を用いた肉種鑑別
  • 予算区分:経常
  • 研究期間:平成10年度(平成7~10年)
  • 研究担当者:千国幸一・田邉亮一・室谷進
  • 発表論文等:1)食肉及び食肉製品の簡易な肉種鑑別法.第91回日本畜産学会大会講演要旨、p161(1996).
                      2)A quick and simple method for meat species and meat products identification by PCR assay, Meat science (in press).