「べにふうき」緑茶を利用した新たな機能性表示食品

要約

1日当たり34mgのメチル化カテキンを含む機能性表示食品「べにふうき」緑茶の継続摂取によりハウスダストやほこりなどによる目や鼻の不快感が軽減される。

  • キーワード:「べにふうき」緑茶、メチル化カテキン、目や鼻の不快感軽減、システマティックレビュー
  • 担当:食品機能性・生体防御利用技術
  • 代表連絡先:電話029-838-7991
  • 研究所名:食品総合研究所食品機能研究領域
  • 分類:普及成果情報

背景・ねらい

アレルギー疾患を持つ国民が3割を越え、生活の質の低下が問題となっている中、不快感の軽減を目的に、「べにふうき」緑茶のアレルギー性鼻炎症状軽減作用、作用メカニズム、機能性成分であるメチル化カテキンの茶葉特性をこれまでに明らかにし、産学官連携により食品・ヘルスケア商品の開発を企業と行ってきた。しかし、これまでは機能性を表示することが困難であった。2015年4月から新たな機能性表示制度が施行されたことから、この制度に則り「べにふうき」緑茶の機能性を表示することを計画し,科学的根拠の取得や最適抽出法確立を行う。

成果の内容・特徴

  • 「べにふうき」緑茶ティーバッグ(3g)を入れたカップに熱湯を注ぎ、2分間以上上下に振って抽出した茶を3回飲用すれば、メチル化カテキン34mg(1日摂取目安量)を摂取できる(図1)。めめはな茶(容器詰め飲料)は2本の飲用で、メチル化カテキン34mgを摂取できる。
  • 目および鼻の不快感の軽減(図2)に関する研究成果やマスト細胞におけるヒスタミン遊離抑制作用のメカニズムに関する研究成果を科学的根拠とする農水省公開のシステマティックレビューを活用する。
  • 機能性表示「べにふうき」緑茶ティーバッグ、めめはな茶をJAかごしま茶業、アサヒ飲料と共同で開発して消費者庁に届出を行い、受理後の2015年9月及び11月からそれぞれ発売を開始した(図3)。届け出た機能性表示は以下の通りである。「べにふうき」緑茶ティーバッグ:本品には、メチル化カテキンが含まれます。メチル化カテキンは、ハウスダストやほこりなどによる目や鼻の不快感を軽減することが報告されています。めめはな茶:本品には、メチル化カテキンが含まれるので、ほこりやハウスダストによる目や鼻の不快感を緩和します。

普及のための参考情報

具体的データ

図1~3

その他

  • 中課題名:生体防御作用に関する健康機能性解明と有効利用技術の開発
  • 中課題整理番号:310c0
  • 予算区分:交付金、交付金(機能性食品プロ、革新的緊急展開)
  • 研究期間:2011~2015年度
  • 研究担当者:山本(前田)万里、根角厚司、物部真奈美、堀江秀樹、東洋昭(JAかごしま茶業)、篠田有希(アサヒ飲料)、岡田賢次(アサヒ飲料)
  • 発表論文等:
    1) Maeda-Yamamoto M. et al. (2004) J. Immunology, 172(7):4486-4492
    2) 安江ら (2005) 日本食品新素材研究会誌, 8(2):65-80
    3) Masuda S. et al. (2014) Allergology International, 63(2):211-217
    4) 山本ら「抗アレルギー剤」 特許3637355号(2005年1月21日)