アカバネウイルスの抗原性の比較

要約

アカバネウイルス(OBE-1株)に対するモノクローナル抗体を用いたELISAを行いアカバネウイルスの分離株の抗原性を比較した結果,アカバネウイルス分離株の抗原性に相違があることが明らかとなった。

  • 担当: 家畜衛生試験場 九州支場 第3研究室
  • 連絡先:0992-68-2078
  • 部会名:家畜衛生
  • 専門:診断予防
  • 対象:牛
  • 分類:研究

背景・ねらい

アカバネ病は1972年から1974年にかけて大流行し今もなお発生しているが,初期の症状に比べて病原性の変化が疑われている。またポリクローナル抗体を用いた中和試験によりアカバネウイルス株間に抗原性の差異があることが報告されている。そこで更に詳細にアカバネウイルスの株間の抗原性の比較をするためにワクチンの原株であるOBE-1株を用いて,モノクローナル抗体を作出し,OBE-1株,プロトタイプであるJaGAr39株,ポリクローナル抗体でJaGAr39株と片交差するIriki株,また九州地方で血球およびヌカカより分離された8株に対しモノクローナル抗体を用いてELISA試験を行い,株間の相違を明確にすることを試みた。

成果の内容・特徴

  • OBE-1株に対するモノクローナル抗体を作出し,サブタイプIgGが26クローン得られた。そのうち6クローンがウイルス粒子のヌクレオカプシド(N)蛋白を、18クローンがウイルス表面糖(G1)蛋白を認識していた。
  • 精製ウイルスを固相化したELISA試験より株間の抗原性の相違が明確になった。
  • N蛋白を認識しているモノクローナル抗体はほとんど全ての株に対して陽性を示すことが明らかとなった。

成果の活用面・留意点

このモノクローナル抗体を使ってアカバネウイルスの同定および抗原性の変化を調べることが可能と思われた。従って更に多くの地域からウイルスを分離することでより簡便なアカバネウイルスの同定および抗原性の変化を予測できることが示唆された。 現在はそれぞれの株の精製ウイルス粒子を用いたELISA試験を用いているが,それぞれの株のウイルスを多量に使用することから,更に簡便な方法が望まれる。

具体的データ

図 OBE-1株、JaGAr39株、Iriki株、及び異なる分離株A~Hの精製ウイルスを固層化抗原としたELISAでのモノクローナル抗体の反応性

写真 ELISAでの分離株の相違

その他

  • 研究課題名:牛異常産関連アルボウイルスの抗原性に関する検討
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成6年度(平成4年度~平成6年度)
  • 発表論文等:1) 第115回日本獣医学会講演要旨集,p.177(1993).
                      2) 第118回日本獣医学会講演要旨集,p.147(1994).