高リグナン含有ごま新品種「ごまぞう」の脂質代謝改善機能

要約

セサミン、セサモリン含有量の多い熱帯型ごまの遺伝資源を素材として育成した「ごまぞう」は、国内で栽培可能な高リグナン含有系統である。この系統を混入した飼料で飼育したラットは、肝臓における脂肪酸代謝酵素活性が高くなっている。

  • キーワード:セサミン、セサモリン、脂肪酸代謝、リグナン、ごま
  • 担当:作物研・畑作物研究部・資源作物育種研究室
  • 連絡先:0298-38-8393
  • 区分:作物・夏畑作物
  • 分類:科学・普及

背景・ねらい

ごま種子には、微量成分としてリグナン類が含まれ、脂溶性リグナン類であるセサミンやセサモリンは、肝機能障害の防止やコレステロールの低下作用など、様々な生理機能性を持つことが知られている。わが国では年間15万トンのゴマが消費され、そのほとんどは海外からの輸入に頼っているが、機能性をアピールした商品や、国産ごまによる特産品開発の試みも始まっている。本研究では、リグナン類の含有量が高い遺伝資源を素材として、栽培特性に優れた国内向け高機能性品種の開発を目指す。

成果の内容・特徴

  • 南中国原産の熱帯型遺伝資源系統から見出した「H65」は、セサミン・セサモリンの含有量が高い系統である。
  • 多収の白ごま系統(Toyama016)と「H65」の交配後代より選抜し、国内での栽培が可能な高リグナン含有品種である「ごまぞう」を育成した。
  • 「ごまぞう」は、茨城県産在来品種「真瀬金」よりやや晩生、下位分枝性の系統で、種皮色は褐色であり、リグナン含有量は、「真瀬金」に比較してセサミンが約2倍、セサモリンは約1.5倍である(表1)。
  • ごまを添加した人工飼料でラットを16日間飼育すると、コーン油添加飼料で飼育したラットよりも、肝臓における脂肪酸代謝酵素の活性が高まる。「ごまぞう」を混入した区は「真瀬金」に比較してさらに酵素活性が高まり、高リグナン含有系統は機能性が強化している(表2)。

成果の活用面・留意点

  • 機能性に優れた新規ごま加工食品の開発に利用できる。
  • 国産ごまによる特産品開発に活用できる。

具体的データ

表1 育成系統の生育・形態特性

 

表2 ごまを添加した配合飼料で飼育したラットの肝臓における脂肪酸代謝酵素の活性

その他

  • 研究課題名:強抗酸化・良質・多収ごま品種の育成
                      高リグナン含有ごま系統を素材とした良品質系統の育成
  • 予算区分:交付金、経常、新需要創出
  • 研究期間:1992~2005年度
  • 研究担当者:安本知子、勝田眞澄、井出 隆、高橋陽子、奥山善直、古明地通孝、本田裕、杉浦 誠
  • 発表論文等:1) Yasumoto et al. (2001) J. Agr. Food Chem. 49(5):2647-2651.