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フォレージハーベスタと運搬車による牧草収穫作業において、伴走する運搬車の位 置を非接触で検出しつつ、その荷台に向けてハーベスタのシュート吹き出し方向を自動追従さ せる機構である。
現在の農業生産の収穫体系では、収穫と運搬の作業が同時に行われていることが多く、この場 合複数のオペレータが必要となる。だが収穫作業は限られた期間内 に大量の収穫物をほ場から移動する必要があるため、総じてオペレータが不足しがちである。 このため収穫作業の省人化技術が要請されている。この省人化を実 現するものとして、無人のフォレージハーベスタ(FH)、および有人のフォレージワゴンを 使用したワンマン収穫体系を想定し、その基盤技術としてハーベス タが伴走している運搬車の位置を認識しつつ自動で吹き込み位置調整する機構を開発する。
図1 、
図2 に 試作した機構の実施例を示す。FH側から運搬車の相対位置を検出するセンサとして、非接触 で物体の距離、方向を同時測定できるレーザスキャナLMSを供試 した。LMSは運搬車に取り付けられた二つの反射マーカを感知し、そのデータから制御コンピ ュータが運搬車の相対的な位置を計算する。さらに運搬車の荷台 方向にシュートが向くよう制御するとともに、ヘッド角度を制御することで収穫物の飛距離の 調節を行う
(図3) 。
図4 に示す。シュート方向の許容誤差を40cmとした場合、運搬車の荷台部分がFH後方1~5mの 範囲内であれば吹き込み作業可能な精度で追従できる。実際に吹き込み試験を行ったところ、 直線走行時だけでなく旋回時でも運搬車に追従した吹き込みが可能であった。