農業用パイプライン路線選定のための路線特性表示システム

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要約

本システムでは対話的なユーザーインターフェースにより、検討路線経路及び設計条件を入力すれば、その後、路線案の各種水理特性を表示し、技術者等が各計画路線案を2次元と3次元の地図上で評価することが可能である。

  • 担当:農業工学研究所 水工部 水路工水理研究室
  • 代表連絡先:0298-38-7566
  • 部会名:農業工学
  • 専門:農村計画・資源利用
  • 対象:計画・設計技術
  • 分類:普及

背景

農業用パイプラインの設計手順において、パイプラインシステムの機能確保の検討を行い詳細な比較設計をするためには、計画段階における適切な路線の選定が重要である。
本研究では、対話的なユーザーインターフェースによって、路線を選定する際に地形条件による路線延長、管径、管材、エネルギー位、水撃圧の大きさ、負圧の発生箇所および流量配分の試算を効率的に繰り返し検討することが可能なシステムを開発することを目的とした。

成果の内容・特徴

  • 本システムは、データ入力部分、データ部分、アルゴリズム部分および結果表示部分で構成されている(図1)。
  • データ入力部分では、水源水位、管径、管材、分水量等の水理設計条件をダイアログへ、また、画面表示される地図(国土数値情報)上に主にマウスを用いて容易に路線経路等のデータを入力することができる(図2)。
  • データ部分はオブジェクト指向で設計されているため、再利用性が高い。
  • アルゴリズム部分では、路線の延長、管体積が即座に算定でき、経済性比較の参考にできる。さらに路線案について定常流況解析を行うことが可能であり、水頭配分、配水特性を評価できる。
  • 結果表示部分では、水理解析結果を画面表示される地図、縦断図および3D表示図に表示することが可能である(図3)。また、経験則による水撃圧を縦断図に表示することができる。 圧力分布により配水不良や負圧が発生する箇所を事前に検出することが容易になる。
  • 路線案を3D表示することが可能である。路線案をズームイン、ズームアウト、回転及び移動してあらゆる角度から検討することが可能である。

成果の活用面・留意点

活用面;特に地形条件の複雑な中山間地の畑地かんがい用パイプラインの路線の計画と概略設計に利用可能である。また、既存パイプラインの機能診断にも有効である。
留意点;国土地理院の数値地図50mメッシュ(最大誤差5m)と数値画像が別途に必要である。

具体的データ

図1 システムの税対構造
図2 管路データ入力画面
図3 数値画面と路線の重ね合わせ図、縦断図、3D表示図

その他

  • 研究課題名:最適路線選定支援のためのパイプライン水理特性評価モデルの開発
  • 予算区分:経常
  • 研究期間:平成12年度(平成9~11年)
  • 研究担当者:田中良和、島崎 昌彦、島 武男、中 達雄
  • 発表論文等:田中、島、中、最適路線選定支援のためのパイプライン水理特性評価モデルの開発、平成12年度農業土木学会大会講演要旨