地域づくりコーディネータ育成のための研修プログラム

要約

自治体職員や一般市民などを対象とし、見学・実習・実践の3ステージから構成された地域づくりコーディネータ育成のための研修プログラムで、研修生が地域づくりワークショップ手法を実際に運営できる水準まで習得できる。

  • キーワード:地域づくり、コーディネータ、人材育成、ワークショップ、研修プログラム
  • 担当:農工研・農村計画部・地域計画研究室
  • 代表連絡先:電話029-838-7548
  • 区分:農村工学
  • 分類:技術及び行政・普及

背景・ねらい

いま農村地域を活性化する上で求められているのは、「仕掛け人」と呼ばれるような地域づくりコーディネータの育成である。地域づくりのための人材育成に関しては、人員を配置したり、予算的措置を講じたりするだけでは充分とはいえず、地域づくりのノウハウや技術を習得した人材をいかに育成するかが鍵を握る。そこで茨城県常陸太田市を対象とした介入的研究(実際の地域を対象に手法の検証を行う実践的研究)によって、地域づくりコーディネータ育成のための研修プログラムを開発する。

成果の内容・特徴

  • 研修対象と目的:地域づくりに対して意欲のある自治体職員や一般市民などを、地域づくりワークショップを実際に運営できるようにする。常陸太田市(図1)では教育委員会エコミュージアム推進室職員(4名)、一般市民から選出されたエコミュージアム推進委員(教員OBなど32名)などを対象としている。同市の取り組みのユニークな点は、市職員を地域づくり支援専門チームとして組織し、一般市民を巻き込みながら地域づくり支援のノウハウを学び、実践している点である。
  • 研修プログラムの内容:見学・実習・実践の3ステージで構成され、ステージごとの研修内容は以下のとおりで、常陸太田市における実施状況を表1に示す。 見学:研修生は、講師が企画・運営するワークショップを見学することによって、地域づくりのためのワークショップの進め方と効果を体験する。 実習:ワークショップの進め方に関する基本的知識を講義で学び、見学した事例地域を題材にした実習(地域住民になったつもりで点検マップ、構想マップなどを作成)を行い、ワークショップ手法を習得する。 実践:実際の地域を対象にワークショップを企画・運営し、実習で学んだ方法をマスターする。
  • 研修生と講師の役割:本研修プログラムが従来のワークショップ研修と異なる点は、実習および実践ステージにおいて、ワークショップの準備(住民との交渉、道具の購入、地図の作成など)を研修生自身が行う点にある。これによって研修生は対象地域に何度も出向き、住民との交渉術など、地域づくり支援に必要な事項を学ぶことができる。一方、講師は研修ステージが進むごとにその役割を減らし、研修生がワークショップを自力で運営可能となるように配慮する(表1)。
  • 人材育成の効果:常陸太田市では、研修を実施した翌年度(2009年度)、育成された人材が新たに市内5地区で集落点検ワークショップなどを自力で企画・運営し、さらに地域住民による実践活動を支援している(表2図1)。

成果の活用面・留意点

  • 自治体職員が地域づくり支援に多くのエフォートを投入する場合、地域づくり支援を職務として明確に位置づけること(上司や同僚の理解)が必要となる。
  • 育成された人材による地域づくり支援の持続性をより高めるためには、一般市民から育成された人材の地域づくり支援における役割をより強化していく必要がある。

具体的データ

表1 常陸太田市における研修プログラムの実施状況

表2 人材育成の効果

図1 常陸太田市の概況

その他

  • 研究中課題名:農村地域の活力向上のための地域マネジメント手法の開発
  • 実施課題名:粗放的土地管理・利用計画手法の開発
  • 実施課題ID:413-a-00-003-00-I-09-7312
  • 予算区分:交付金プロ(地域管理)
  • 研究期間:2007~2009年度
  • 研究担当者:福与徳文、坂本誠、遠藤和子、芦田敏文