育苗箱配送計画シミュレータ

要約

  • 担当:東北農業試験場・生産工学部・生産システム研
  • 部会名:地域水田農業
  • 分科会名:
  • 分類:(2)

成果の内容・特徴

  • 技術・情報の内容及び特徴
    本シミュレータは、育苗センター等から育苗箱を集落規模の分散圃場へ配送する 場合に、パソコンにより配送距離(費用)を最少にする配送計画を立てることができる。
    例として岩手県W町を参考に育苗センター及び圃場を設定した (図1)。
    配送計画を作成する前提として、1台のトラックが担当圃場群に1回で配送する場合の 最短経路が求められなければならない。しかし、仮に圃場数を12筆としても一億を 越える経路が想定されるため、総当り的な方法では不可能に近い。本シミュレータは、 OR法による近似手法により効率良く経路を求める (図2)。
    しかし、実際には1台1回で全箱を配送できるとは限らない。そこで複数台または 複数回のトラック使用を考えることになる。この場合は最初に配送担当(トラック毎の 配送先)を決め、次にトラック毎の配送経路を求めることになる (表1、図3)。
    また、使用するトラックの積載量の変更や通行できない経路がある場合でも効率的な 配送経路が求められる。
  • 技術・情報の適用効果
    育苗センター等において効率的な配送計画を立てることができ、人件費・燃料代の 節約、農家側の計画的作業の進行に役立つ。
    また、農業用資材の配送や共同体の収穫・出荷作業における運搬作業等にも 適用ができる。
  • 適用の範囲
    東北全域
  • 普及指導上の留意点
    優先順位や配送時間が一部指定されるなど条件がさらに複雑化した場合の対応 については今後の問題として残されている。

具体的データ

図1 育苗センターとほ場の設定条件

図2 一カ所の育苗センターから全ほ場へ苗箱を運搬する場合の算出経路

表1 トラックの設定条件

図3 A,B2カ所のセンターから4台のトラックで配送する場合のトラックごとの配送担当ほ場

 

その他

  • 研究課題名:東北地域における超省力機械化栽培技術体系の確立
  • 予算区分 :水田畑作
  • 研究期間 :昭和63年~平成元年
  • 発表論文等: