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2017年度日本線虫学会第25回大会シンポジウム in 札幌 「発生確認から2年、ジャガイモシロシストセンチュウ対策研究の最前線」を開催

情報公開日:2017年10月 3日 (火曜日)

開催日時

平成29年9月20日(水曜日) 14時00分~17時30分

開催場所

北海道立道民活動センター「かでる2・7」4階大会議室
(札幌市中央区北2条西7丁目)

参加者数

160名
(うち生産者・農業団体24名、行政・普及関係18名、民間企業・一般42名、報道2名、教育・研究機関74名)

開催の趣旨

北海道においては一昨年、わが国で初めてジャガイモシロシストセンチュウの発生が確認されました。本線虫はバレイショの大幅減収を引き起こす害虫として世界的に知られており、抵抗性品種等を用いた防除が難しく、多くの発生国では本線虫の対策に苦慮しています。バレイショは北海道が全国生産量の約8割を占める主要な農産物であることから、発生拡大の阻止と根絶を目指した取り組みが関係各機関により進行中です。本シンポジウムでは、各研究プロジェクト等からの最新の研究成果を紹介します。内容は本線虫の検出・発生範囲調査法から現在実施中の防除技術とその成果、および将来期待される線虫制御技術など多岐に亘ります。発見当初に比べ研究が進み、当初の悲観的な状況から問題解決の糸口が徐々に見えてきました。話題提供者からの情報を元に、参加者の皆さんと共に今後目指すべき研究方向と取るべき防除対策を探ります。

開催概要

ジャガイモシロシストセンチュウ(Gp)の防除対策に関する5題の研究報告を行いました。

「北海道におけるジャガイモシロシストセンチュウの発生範囲特定調査の概要」では、農林水産省横浜植物防疫所の 久井 潤也 次席調査官から、Gp発見に至る経緯、効率的にGpの発生範囲を特定するために採用した調査手法、およびその調査結果の概要が報告されました。

「ジャガイモシロシストセンチュウの高精度検出技術の開発」では、当センターの 串田 篤彦 上級研究員から、調査ほ場から分離される多数のシストからGpのみを確実に検出する手法として、種特異的プライマーを用いたPCR法の有効性が示され、今後の迅速・高感度検出技術として利用が期待されることが報告されました。

「土壌燻蒸剤処理と捕獲作物栽培によるジャガイモシロシストセンチュウの防除効果」では、道総研北見農業試験場の 小野寺 鶴将 主査から、現地のGp発生ほ場における防除状況について、土壌燻蒸剤処理と捕獲作物栽培を組み合わせた防除の効果は高く、ほ場によっては検出限界に近いレベルまで密度が減少していることが報告されました。

「ふ化促進物質の全合成とジャガイモシストセンチュウ類防除へ向けた実用化研究」では、北海道大学大学院理学研究院の 谷野 圭持 教授から、Gpのふ化を制御しGp密度の大幅低減に利用可能なふ化促進物質「ソラノエクレピンA」に関して、世界初の全合成成功に至るプロセスと各物質の特性等について、専門外にも分かりやすく報告されました。

「ジャガイモシロシストセンチュウ抵抗性バレイショの探索と品種育成の現状」では、当センターの 浅野 賢治 主任研究員から、現在進めているGp抵抗性のバレイショ品種育成に関して、Gp抵抗性品種の特性、DNAマーカーを利用した抵抗性遺伝資源の探索、海外から導入したGp抵抗性品種候補の特性等について報告されました。

パネルディスカッションは、全講演者が壇上に上り、会場からの質問に応答する形式で進められました。質問はGpの早期根絶と再発生防止に関連したものが多く、現地で実施されている防除内容や実施状況、抵抗性品種への要望や現地での栽培見込み等について、活発な議論が展開されました。

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講演の様子
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パネルディスカッションの様子
法人番号 7050005005207