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第14回 米・食味分析鑑定コンクール「にこまる」金賞受賞者インタビュー (福岡県みやま市)

情報公開日:2013年1月 7日 (月曜日)

場所:道の駅みやま

米・食味分析鑑定コンクール(主催:米・食味鑑定士協会)は、全国から4000点近い検体が出展される、日本でも最大規模のお米の食味コンクールです。2012年11月に行われた第14回米・食味分析鑑定コンクールに、福岡県みやま市の2名の生産者が当研究所育成の「にこまる」を出品して、総合部門と都道府県別部門でそれぞれ金賞を受賞されました。

受賞者

総合部門:金賞

福岡県みやま市 前原 孝利

都道府県代表:金賞

福岡県みやま市 川口 広樹

 このコンクールの入賞実績は長野、群馬など東日本の標高の高い産地が多数入賞する傾向がはっきり出ているのですが、その中で西日本中心に「にこまる」でこれだけの入賞実績を挙げられたことは快挙です。「にこまる」の同コンクールでの入賞事例は以前にもありました。しかし、今回、食味で全国の頂点ともいえる総合部門金賞が九州では10年ぶりに「にこまる」の生まれ故郷である福岡県筑後地方から出たことは、意義深いことです。そこで、広報普及室では今回、受賞されたお二人方と出品された松尾米穀店に話を伺いました。

道の駅みやま正面、横断幕前での受賞者記念撮影
道の駅みやま正面、横断幕前での受賞者記念撮影

受賞者インタビュー

今回の受賞まことにおめでとうございます。受賞されたお二方に伺います。

1.みやま市のどの地区で、どれくらいの面積を作付けされているのでしょうか?

前原:高田町の干拓地です。今年は2.4haぐらいです
川口:同じく高田町ですがやや山よりの地帯です。今年は30aぐらいです。

松尾米穀様へ 他に「にこまる」を作っている農家は何名くらい居られますか?面積は? 
松尾米穀店:前原さんが一番先に取り組んでおられますが、このお二方の他に最近作付けを始めた農家が2戸あります。

2.「にこまる」の他にどのような品種を作付けされていますか?

前原、川口:ヒノヒカリをまだ作っています。

3.「にこまる」を導入されたのは何年頃からでしょうか?

前原:4年ぐらい前からです
川口:2年前からです。

4.「にこまる」を導入されたきっかけ、理由は何でしょうか?

前原: 農機具会社等からの情報を得て、みやま市の干拓地で「にこまる」を導入している農家がいて、試食したら非常においしかったことが導入のきっかけです。
川口:松尾米穀のすすめもあり、また前原さんが好結果を出しておられると聞いて導入することにしました。

5.「にこまる」の栽培管理で気をつけている点はどのようなことでしょうか?(特に食味向上のために)

前原:土作りに特にこだわっています。稲、麦わらは全量すきこみして、耕起深も深く取るようにしています(長靴では歩けないほどです)。肥料は有機のペースト肥料主体で、追肥もうんと少なくして栽培しています。防除は種子消毒と苗箱施用の殺虫剤、それと除草剤だけです(慣行よりはかなり少ない)
川口:1年1作(冬作麦なし)で稲わらは全量すきこんでいます。私はトマトが主力の農家なので、特別なことはしていませんが、「ヒノヒカリ」を作っているころから松尾米穀で米の食味を測定してもらって、次の作付けの管理にフィードバックするようにしています。

6.栽培してみての感想はいかがですか?(ヒノヒカリと比較して)

前原:収量は9俵くらいです。私の所は干拓地で地力があるということもあって、初期に丈が伸びやすく、実は作りにくい稲です。ヒノヒカリより肥料を減らして対応していますが、収量がそれほど下がりません。
川口:私の所は地力がない田んぼなので、収量は8俵を切るぐらいです。 松尾米穀店:地区の「にこまる」生産者の中には、追肥(穂肥・実肥)を施用する昔の多収狙い時代の施肥法で10俵以上取っている方もいるが、そうした栽培法の「にこまる」は食味が心配です。食味の面からも「にこまる」の評価を落とさない栽培が大事と思います。

7.食味についてどのように評価しておられますか?(ヒノヒカリと比較して)

前原:総合的に見て「ヒノヒカリ」より良いです。とくに香り、粘りが良く、粒が大きくしっかりしているのが特長です。福岡市で試食に持っていっても、「粒が大きいね」とよく言われます。

→松尾米穀様へ 「にこまる」についてお客様の評価、売れ行きはどうでしょうか?
松尾米穀店:農村地帯なので地元ではお米はあまり売れません(笑)。他のお米屋さんに出荷していますがそちらの評判はとてもいいです。

8.来年以降の「にこまる」の作付け予定はいかがでしょうか?

前原:来年は全面的に「にこまる」に切り替えようかと思っています。
川口:私も60aぐらいまで増やす予定です

→松尾米穀様へ みやま市全体での取り組みについてご存じなら教えて下さい。
松尾米穀店:他にも作付けする方が何人かは出てくると思います。 また、みやま市で「みやまのお米」をブランド化していこうと言う動きがあります。その主軸に「にこまる」を位置づけて頂くべく働きかけをしているところです。九州沖縄農業研究センターにも是非ご協力をお願いします。

9.「にこまる」で改良が必要なポイントはありますか?またこんな品種が欲しいという、ご要望はありますか。

前原:やはり初期生育が早くて苗が徒長しやすい点を改良して頂けるといいですね
育成者から:初期の生育量が大きいのは、生育前半に栄養分の貯金を貯めやすい「にこまる」の品種特性に関わっています。苗作りや施肥管理に配慮して、若干初期生育を抑えめに作ってください。

 九州産米の作柄、品質が昨今の高温気象で低迷している中で、今回、全国規模のコンクールにおいて「にこまる」が優秀な成績を収めました。地元では新聞等にも取り上げられ、期待が高まっています。取材を行った「道の駅みやま」にも受賞を祝う横断幕が大きく掲げられ、店内では受賞されたお二方のお米が販売されていました。地元みやま市で「みやまのお米」ブランド化が検討中との話もあり、九州研としてもできる限りバックアップしていく必要があることを感じつつインタビューを終えました。

法人番号 7050005005207