プレスリリース
省エネ型ニラ下葉除去装置を開発

- 圧縮空気を間欠噴射することで空気使用量を削減 -

情報公開日:2014年3月11日 (火曜日)

ポイント

  • 圧縮空気を間欠噴射するニラ下葉除去装置を開発しました。
  • 本装置は従来の機械と比較して、空気使用量と電力消費量を約1/2に削減できます。
  • 下葉除去の成功率も向上し、調製作業全体の効率化に寄与します。

概要

農研機構生研センターは、空気使用量が少なく電力消費量を節減する省エネ型のニラ下葉除去装置を開発しました。

開発したニラ下葉除去装置は、圧縮空気を間欠的にニラの株元に噴射して下葉除去を行う装置です。連続的に空気を噴射する従来の機械と比較して、空気使用量は約1/2となり、それに伴い圧縮空気を作り出すコンプレッサーの消費電力も約1/2に節減できます。さらに、ニラへのダメージが少なく、下葉除去の成功率も向上し、調製作業全体の効率化に寄与します。

農機メーカーへの技術紹介を進め、装置の実用化を目指します。

関連情報

予算:運営費交付金

特許等:特願2013-65523、職務作成プログラムP第10230号-1



詳細情報

開発の背景と経緯

ニラの国内栽培面積は2,240ha程度ですが、同一ほ場において年間5~6回程度収穫が可能で、延べ栽培面積としては約12,000haにも達する重要な野菜の一つです。ニラ栽培は、ハウス栽培による周年出荷ができるため、栽培の投下労働時間は780h/10a程度ですが、刈り取り、下葉除去や選別、結束といった収穫調製作業がそのうち約3/4を占めています。下葉除去には、ニラの株元に圧縮空気を吹き付け不要な下葉や汚れを取り除く機械が一般的に利用されていますが、大量の圧縮空気を使用しているため、大型コンプレッサーが必要となり、電気料金も多くかかっていました。

そこで、農研機構生研センターでは、平成23年度から圧縮空気の使用量削減を目的としたニラの下葉除去装置の開発に着手しました。平成23年度は、間欠的に圧縮空気を噴射することによる空気使用量の削減に着想して、基礎試験装置を試作し、間欠噴射によって空気使用量を削減できることを確認しました。平成24年度は、直列に噴射口を配列した慣行機と同様のノズルを設け、電磁弁の動作によって噴射のオン・オフを行う試作機を製作し性能試験を実施するとともに、群馬、栃木、茨城のニラ産地で実証試験を実施し、連続的に空気を噴射する従来の機械と性能を比較するとともに開発機の取り扱い性について調査を行いました。

ニラ下葉除去装置の概要および性能

  • 開発したニラ下葉調製装置は、全幅610×奥行420×全高570mm、質量24kgで、上下2個のノズル間にニラの株元を挿入すると、光電センサが作物の有無を検出し、作物が挿入されている時のみ空気噴射用電磁弁を高速で入り切りして間欠的にニラに圧縮空気を吹き付けます(図1、図2)。噴射頻度及び噴射・停止の時間割合(オンオフ比)を容易に設定可能です。なお、ノズルは6個の噴射口を直列に配置した慣行機と同様のものを使用しています。
  • 本装置は、10~15Hz(1秒間に10~15回のオン・オフ)のサイクルで5秒間の間欠噴射により、ニラにダメージを与えることなく、きれいに下葉の除去を行うことができます。噴射設定圧力は、従来機と同程度の0.5~0.6MPaです。
  • 実証試験において空気使用量を測定した結果、開発機は従来機を利用した場合の約1/2に削減されていることが確認されました(図3)。
  • 開発機における下葉除去に成功したニラの本数割合は約80%で、従来機を利用した場合より20ポイント程度高く、茎が割れたりするなどの損傷もありませんでした(図4、図5)。精度良く下葉除去を行うことができるので、調製作業全体の効率化に寄与します。
  • 1日作業相当分におけるコンプレッサーの電力消費量においては、開発機の場合は8kWh程度で、従来機を利用した場合(15kWh)の約1/2に削減されていることが確認されました。
  • 装置を利用した生産者からは「使い方は従来機と同様なので問題は無い」「間欠噴射は、株元に付着した下葉、汚れなどが連続噴射の従来機よりきれいに除去できる」などと好評をいただいています。

活用面と留意点

  • 作業性能を維持したまま空気使用量を削減できるため、コンプレッサーの電力消費量を削減でき、低コスト生産に寄与できます。
  • 2.2kW程度以上のコンプレッサーでの利用が望ましい。
  • 開発機の耳元騒音は97dB(A)程度で、従来機の102dB(A)程度と比較すると、若干の改善が図られていますが、作業には耳栓など騒音に対する防護具の装着が必要です。

今後の予定

農機メーカーへの技術紹介を進め、装置の実用化を目指します。

 

ニラ下葉除去装置

上下ノズル間にニラを挿入した様子空気使用量作業精度調製前後の状況

 

法人番号 7050005005207