プレスリリース
新規課題14課題を新たにスタート!

情報公開日:2014年4月15日 (火曜日)

概要

農研機構生研センターでは、革新的農業機械・技術の研究開発を通じて、生産性の向上、食の安全・安心、省力化、環境負荷の低減や農作業安全等の推進を図っております。この度、新規課題として新たに次の14課題(農業機械等緊急開発事業:4課題、基礎基盤研究:10課題)を開始することとしましたのでご報告します。

新たに研究を開始する課題一覧

I. 農業機械等緊急開発事業

(1)大豆用高速畝立て播種機の開発

[目的] 湿潤土壌への適応性が高く、畝立て作業と大豆の播種作業を同時に高速で行うことができる作業機を開発する。

(2)高機動畦畔草刈機の開発

[目的] 畦畔および傾斜40度程度までの整備法面を安定走行できる走行部を有し、遠隔操作(速度制御、旋回、刈高さ制御、遠隔起動および緊急停止)が可能な除草機を開発する。

(3)高性能・高耐久コンバインの開発

[目的] 刈取り部、脱穀部、選別部等の機構を一新して水稲収穫性能を高めた、高性能で高耐久性を有する汎用コンバインを開発する。

(4)樹園地用小型草刈機の開発

[目的] 作業者が楽な姿勢で、刈払機より高能率に果樹園の樹冠下の雑草を草刈りすることができる走行型草刈機を開発する。

II. 基礎基盤研究

(1)歩行用トラクタの事故防止に向けた実態調査

[目的] 歩行用トラクタの安全性向上技術の開発に資するため、機体構造や使用方法、機体挙動等について調査、整理し、別課題((11)参照)で得られた詳細事故調査結果も踏まえながらリスク要因を抽出する。

(2)履帯式走行部を対象とした除泥技術の開発

[目的] 近年特に普及の進む半履帯式トラクタをはじめとした履帯式車両の走行部を対象として、履帯表面の他、駆動輪や転輪等履帯内側への付着土の路上落下量・飛散量を軽減させることのできる除泥技術を開発する。

(3)無人ヘリ作物生育観測システムの開発と実証

[目的] これまで開発してきた無人ヘリ・携帯共用作物生育観測装置を無人ヘリに搭載し、安定した精度で作物生育情報を空中から測定するとともに、FARMS(営農情報管理システム)上で利用する無人ヘリ作物生育観測システムを開発し、実用性を検証する。

(4)省エネルギー型高速耕うん技術の研究

[目的] 我が国では、水田耕うんにおいてロータリが広く普及しているが、所要動力が大きく、出力の小さなトラクタでは作業速度の高速化が困難である。そこで、耕盤の均平度を一定以上保ちつつ、出力の小さなトラクタでも高速耕うん作業が可能な技術の開発研究を行う。

(5)田植機の植付位置制御技術の開発

[目的] RTK-GPS等の高精度測位技術に基づく位置情報を利用して、田植機の進行方向(株間方向)および直交方向(条間方向)の植付位置制御技術を開発し、後作業である除草、管理作業の効率向上を図る。

(6)小型汎用コンバインを基軸とした収穫作業体系の実証

[目的] これまでに開発した、中小規模でかつ点在した地域条件でも効率的な作業が可能な小型汎用コンバインを基軸とした省力・低コスト収穫作業体系を実証する。

(7)ホウレンソウの全自動移植機の開発

[目的] ホウレンソウ栽培では直播体系が確立しているが、現行の体系では年間作付け回数は5回程度が限度である。そこで、在ほ期間が短く、年間作付け回数を増やすことができる移植体系の確立をねらいとした全自動で多条移植できる移植機を開発する。

(8)不耕起対応トウモロコシ播種機の適応性拡大

[目的] これまでに開発した不耕起対応トウモロコシ播種機の現地適応試験を行い、各地で行われる栽培事例を収集し、不耕起栽培の普及を阻害する要因分析等を通じて適応性拡大のための改良を行う。併せて開発機の利用マニュアルを策定する。

(9)農業機械の省エネルギー性能試験方法の研究

[目的] 各種農業機械の省エネルギー性能を客観的かつ公正に試験・評価できる方法を検討し、その試験方法と基準を作成、提案する。乗用型トラクタと穀物乾燥機については、既存の試験方法の適用範囲や試験条件の拡大を図る。

(10)農業機械事故の詳細調査・分析手法の適用拡大に関する研究

[目的] これまでの乗用トラクタ及び刈払機における詳細調査・分析を引き続き実施するとともに、歩行用トラクタについても新たに詳細調査・分析を行い、各機種について事故要因を明らかにする。