プレスリリース
平成26年度安全鑑定結果について

情報公開日:2015年8月 6日 (木曜日)

概要

  • 平成26年度分の安全鑑定適合型式数は、188型式(13機種)であり、機種別の内訳は、 表のとおりであった。
  • 「その他機種」に分類されたものは、3型式(2機種)であった。

表-年度別安全鑑定適合型式数

主な機種の特徴等

農用トラクター(乗用型)

平成26年度の安全鑑定適合機は、7社82型式(安全キャブ仕様のみは55型式、安全フレーム仕様のみは5型式)で、その搭載機関の定格時出力は12.5~158kW(17~215PS)、排気量は1.001~7.400Lであった。機関出力74kW(100PS)以上の全体に占める割合は43%程度であり、25年度(同60%)からは減少した。走行形式は車輪式が66型式、半装軌式(後輪のみ装軌)が16型式であった。近年増加傾向にある無段変速トランスミッションを搭載したものが42型式で全体の半数以上を占め、25年度(33%)からさらに増加した。ディーゼル特殊自動車に対する排出ガス規制は、23年10月から国内3次規制が適用されているが、安全鑑定適合機の中で国内3次規制に適合しているものは、尿素SCRシステム※1、DPF※2、EGR※3、DOC※4のいずれかもしくは組み合わせたものを搭載したものとなっている。

農用トラクター(歩行型)

平成26年度の安全鑑定適合機は、5社22型式(全て管理専用機)であり、このうち2型式が電動モータ(呼称出力0.4~0.8PS)を搭載、20型式がガソリン機関(呼称出力2.1~7.5PS)を搭載していた。電動モータ搭載機2型式は、主にホビー農業向け一般ユーザーを対象とした車軸耕うんロータリを標準とする機械で、1回の充電でそれぞれ約45分(充電時間3.5時間)、約60分(充電時間7時間)の作業が可能なものであった。また、ガソリン機関搭載機のうち15型式は、耕うん、中耕などの他、畝立てなどの作業ができるようにハンドルを標準位置から90度以上(180度含む)回動させることが可能なものであった。

田植機

平成26年度の安全鑑定適合機は、マット苗を移植する乗用型の機械が8型式(4、5、6、7条植え)、歩行型の機械が2型式(4、6条植え)であり、ポット苗を移植する乗用型の機械が2型式(6、8条植え)であった。乗用型は何れも回転式の植付機構を持ち、ポット苗の8条植えが出力15.4kW(21PS)のディーゼル機関を装備し、他9型式は出力4.0~11.4kW(5.4~15PS)のガソリン機関であった。歩行型の植付機構はクランク式であり、機関出力3.3kW(4.5PS)のガソリン機関が搭載されていた。過去に適合した機械等から、機関出力が向上したものが多かった。

スピードスプレヤー

平成26年度の安全鑑定適合機は、立木・棚作り兼用の自走式の機械が7型式、立木用の自走式が1型式、立木・棚作り兼用の歩行型機械が1型式であった。立木・棚作り兼用の自走式のうち、5型式は4輪駆動であり、2型式は3輪(前1、後2)の後輪駆動であった。4輪駆動の5型式のうち、3型式は4輪操舵、他2型式は旋回時前輪増速機構を装備する機械であった。立木用の自走式は、4輪駆動で4輪操舵の機械であった。また、歩行型の機械は走行部がゴムクローラであった。薬液タンク容量は、3輪の自走式が500L、他の自走式は500、600、1000L、歩行型が400Lであった。過去に適合した機械から噴霧ポンプの能力を向上させたもの、排出ガス規制の強化に伴ってエンジンを変更したもの等があった。

コンバイン

平成26年度は、2条刈(機関出力7.7、9.2kW{10.5、12.5PS})2型式、4~6条刈(機関出力44.1~73.6kW{60~100PS})10型式の計12型式の適合機があった。4~6条刈の大型機はすべて、DPF※2(ディーゼル微粒子捕集フィルタ)の搭載によりディーゼル特殊自動車の排出ガス国内3次規制に適合させたエンジンを使用するものであった。食味・収量センサを備えたものやスマートフォンとの連携機能を持つものなどがあったほか、緊プロ開発装置である手こぎ部緊急停止装置の要件をすべて装備したもの、あるいは一部の要件を備えたものがあった。

乾燥機(穀物用循環型)

平成26年度は、最大呼称張込量1.5~7.0t、28型式の適合機があった。3.0~4.0t の3型式は熱風式で、その他の25型式は遠赤外線熱風併用方式であった。斜流式の送風機を使用したものが24型式、遠心式が4型式であった。張込量に応じて風量を自動調節する機能を持つもの、これまで中型機に採用されていたヒートリサイクルを大型機へ展開したものなど省エネ化対応を進めたものがあった。籾は飛ばさず細かいホコリ等を飛ばす排じんシステムを採用したもの、排じん機につまりセンサを採用したものがあった。排出口径を大型化し排出能力をアップさせたもの、大豆乾燥時に搬送系をインバータ制御して減速するものなどがあった。

もみすり機

平成26年度は、ゴムロール式(最大呼称処理量600~2,100kg/h{10~35俵/h})11型式、衝撃式(最大呼称処理量1,080kg/h{18俵/h})1型式の適合機があった。ゴムロール式のうち1型式で回転円筒選別方式が採用されており、他の11型式は揺動選別方式であった。タッチパネル式の操作盤を採用したもの、一つのレバー操作で自動運転となり、レバー操作に連動してシャッタが開閉するものなどがあった。また、吸じん性能を向上させたもの、点検口や掃除口の数を増やしてメンテナンス性の向上を図ったものがあった。

その他機種

その他機種としては、乗用管理機、ばれいしょ茎葉処理機があった

 

用語の解説

※1 尿素SCRシステム
尿素水を排出ガス中に噴霧することで得られたアンモニアガスにより、窒素酸化物(NOx)を窒素と水に分解するシステム。SCRはSelective Catalytic Reductionの略。

※2 DPF
DPFはDiesel Particulate Filter(ディーゼル微粒子捕集フィルター)の略であり、ディーゼルエンジンの排出ガス中の粒子状物質を捕捉するフィルター。フィルターが目詰まりを起こして機能が低下するため、燃焼・再生させる機能が付加されている。

※3 EGR
EGRはExhaust Gas Recirculation(排気ガス再循環)の略であり、燃焼排ガスの一部を燃焼用空気に混入・燃焼させ、火炎の最高温度を低下させることで窒素酸化物の発生を抑制する。

※4 DOC
DOCはDiesel Oxidation Catalystの略で、酸化触媒機能を使って、PM中に含まれるSOF(Soluble Organic Fraction:有機溶媒に溶ける成分)を低減させる排ガス後処理装置。