プレスリリース
(研究成果)平成27年度安全鑑定結果について

情報公開日:2016年7月22日 (金曜日)

概要

  • 平成27年度分の安全鑑定適合型式数は、198型式(15機種)であり、機種別の内訳は、表のとおりであった。
  • 「その他機種」に分類されたものは、19型式(13機種)であった。

表 年度別安全鑑定適合機

主な機種の特徴等

農用トラクター(乗用型)

平成27年度の安全鑑定適合機は、7社60型式(安全キャブ仕様のみ43型式、安全フレーム仕様のみ1型式、両仕様16型式)で、その搭載機関の定格出力は11.6~217kW(16~295PS)、排気量は0.761~8.984Lであった。機関出力74kW(100PS)以上の全体に占める割合は22%程度で、26年度(同43%)からは減少した。走行形式は車輪式が39型式、半装軌式(後輪のみ装軌)が21型式であった。変速装置については輸入車は全型式が無段変速式であり、国産車は無段変速式が約3割と昨年度よりも増加した。排出ガス規制への対応では、19kW以上の規制対象52型式のうち、国内3次規制(相当を含む)に対応したものが41型式、国内4次規制(相当を含む)に対応したものが11型式であった。なお、排出ガス低減対策としては、ディーゼル微粒子補集フィルタ(DPF)、ディーゼル酸化触媒(DOC)、排気再循環(EGR)、尿素触媒還元(尿素SCR)の装置を単体、もしくは組み合わせて搭載している。

農用トラクター(歩行型)

平成27年度の安全鑑定適合機は、3社8型式(全て管理専用機)で、このうち2型式がガス機関(呼称出力1.2~1.5PS)を、6型式がガソリン機関(呼称出力4.1~6.0PS)を搭載していた。ガス機関の搭載機2型式は、カセットこんろ用カセットボンベのブタンを燃料とするもので、主にホビー農業向け一般ユーザーを対象としている。カセットボンベ1本で約50~60分の作業が可能なものであった。また、ガソリン機関搭載機のうち3型式は、耕うん、中耕などの他、土揚げなどの作業ができるようハンドルを標準位置から90度以上(180度含む)回動させることが可能なものであった。

田植機

平成27年度の安全鑑定適合機は、マット苗を移植する機械が11型式(4~5条植え5型式、6~8条植え6型式)、ポット苗を移植する機械が2型式(4、8条植え)であり、何れも乗用型であった。マット苗を移植する機械のうち、4条植えの2型式がクランク式の植付機構を持ち、その他は回転式の植付機構であった。また、6~8条植えの機械のうち、5型式は12.7~18.0kW(17~24PS)のディーゼル機関が搭載されていた。その他の6型式は3.2~11.4kWのガソリン機関であった。ポット苗を移植する機械は、5.5~6.3kW(7.5~8.5PS)のガソリン機関が搭載されていた。過去に適合した機械から、機関出力の向上の他、枕地整地ロータの電動化や操作系の一部をレバー等からスイッチ(電気式へ)に変更するなど取扱性の向上が図られる傾向にあった。

野菜移植機

野菜移植機は、苗の供給を人手で行い、植付作業を機械が行う半自動の移植機と、セル成型等により形状を揃えた苗の供給も機械が行う全自動の移植機があるが、平成27年度の安全鑑定適合機は、半自動が4型式、全自動が5型式であり、全て歩行型であった。これらは、キャベツ、白菜、レタス、ブロッコリ等のポット苗を植付ける機械であり、このうちネギの慣行苗等も植付ける機械が1型式あった。回転する円盤で苗を挟んで植付けを行うディスク式の植付部を持つ機械、クチバシ形状の開孔器で植え付ける機械があり、植付条数はそれぞれ4条植え、1~4条植えであった。電子制御により、株間を1cm刻みで設定できるもの、植付速度が0.5m/sを超えるもの等があった。

動力刈取機(刈払型)

平成27年度の安全鑑定適合機は肩掛型11型式で、機関出力が0.70~0.81kW(0.95~1.1PS)であり、4サイクル機関のものが1型式、2サイクル機関のものが10型式であった。ハンドル形状については、両手ハンドル(U字)が7型式、ループハンドルが4型式で、装備されている刈刃はいずれもチップソーであった。いずれの型式も陸内協排ガス自主規制(3次規制)適合エンジンを搭載しており、一部型式にはガバナ(調速)機構が搭載されていた。

乾燥機(穀物用循環型)

平成27年度は、最大呼称張込量0.9~10.0t、40型式の適合機があった。熱風式は20型式で、その他の20型式は遠赤外線熱風併用方式であった。斜流式の送風機を使用したものが28型式、遠心式が12型式であった。インバータを搭載することで、張込量に応じて風量を自動調節する機能を持つものなど省エネ化対応を進めたものがあった。コスト削減を図って、設計をシンプルにすることで低価格化を実現したものや、消耗部の構造を強化することで耐久性を向上させているものがあった。ユーザーの使用性向上を図って、排出口径を大型化し排出能力をアップさせたもの、操作盤をシンプルにしたものがあった。また、メモリーカードで乾燥履歴を記録できるものが増加傾向にあった。

その他機種

その他機種としては、乗用管理機やねぎ収穫機、キャベツ収穫機、大根収穫機、枝豆収穫機、玉ねぎ掘取機、オニオンハーベスター、ごぼうハーベスター、にんにくハーベスター、人参ハーベスター、ばれいしょ茎葉処理機、ロータリモーア、融雪剤散布機があった。